売上至上主義が会社を潰す|これからの会社はブランディングが必須条件

仕事

売上必達を目標に掲げている企業はどのぐらいいるでしょうか。 もし、あなたが会社の存続を目指すのであれば、まずは”売上”第一主義を捨てることです。 この”売上”に捕らわれていると、本質的なものを見逃してしまいます。 会社のブランディングをしていくためにも、売上至上主義からの脱却が必要です。

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そもそも売上とは

売上というのは何でしょうか。

人によって様々な答えがでてきます。それは、企業活動の中で一番大切なものだったり、評価される対象だったり。

実際にどれが答えというのは無いのですが、マーケティング的に考えると、売上は後からついてくるものです。 つまり、お客様から評価をされて初めて、お客様が満足した対価としてお金をいただき売上になるのです。

ほとんどの営業マンは、この”お客様の満足”というのを忘れてしまっています。 というのも、満足は数字として図ることができないからです。

逆の見方をすると、売上を上げている営業マンは、お客様に満足を与えているという見方もできます。 先ほどお伝えしたように、売上は対価と考えると、あながち間違いではないのかもしれません。

ただ、ここで忘れないでほしいのは、顧客満足の末、正しく売上を作った場合は、それでいいのかもしれませんが、 売上至上主義がもたらす売上は、必ずしもそうではないということです。

本来、売上=利益=お金とは、ある目的を達成するために使う道具の一つにすぎないのです。 この認識を間違ってしまうと、必ず売上至上主義になってしまいます。

売上至上主義がもたらすもの

以前、会社のディスカッションで、このような口論がありました。

とあるブランドの会議中、営業マンが「会社にとっての一番の目的は、売上を上げて利益をあげること。」と言っていました。 すかさず声をだしてしまったのですが「会社にとっての売上を上げて利益をだしたとして、それを何に使うの? 内部留保? 社員に還元? それとも新しい設備投資?」と聞きました。

その営業マンは、会社にとって一番の貢献は売上を上げて利益をあげることだと答えましたが、はたしてそうなのでしょうか。

企業にとって、売上を上げることは非常に大切なことです。お金ないと、ご飯食べれないですもんね。 こういうと、ほとんどの人が、「うん、ごはん食べるためには必要だよね」と、納得してくれます。 ご飯を食べるために売上を作り、利益を確保する。全然矛盾してません。むしろ真理です。

つまり、売上が目的ではなく、ごはんを食べることが目的なわけです。 では、売上が無くてもごはんが食べられるとしたら、売上なくてもいいよね? とはならないでしょうか。

売上至上主義に走ると、この目的を忘れる人が多いのです。 結局、何のための売上を上げるのか、利益を確保するのかが曖昧になると、売上を作ることが目的になってしまい、本来のゴールにたどり着けません。

このように、目的を忘れて売上に走っている営業マン、とても多いと思いませんか?

売上至上主義がもたらすもの、それは、目先の売上に走ってしまい、本来の目的が見えなくなることです。

売上至上主義による失敗した事例

特にブランディングの分野において、売上は大切ですが、それ以上にブランド価値を大切にします。 というのも、ブランドには信念があり、その信念を曲げてしまうとブランドとしての価値が無くなってしまうからです。

以前、実際にこんなことがありました。

オーガニックの素材を使った、人にも地球にもやさしいブランドを作りを手掛けていました。 販売してみて、あまり売れません。売れないため、営業マンはまず販売価格の引き下げを行いました。 安く売ることで数を裁こうという考えたわけです。

安売りをした結果、原価率が上がり、利益がほとんど出なくなったため、今度は商品企画が原料を変えたのです。 同じような効果のあるケミカルなものにです。

結果、原価率は下がり、一時は利益の出る商品として変貌を遂げたかのように見えましたが、ここで気づくべきでした。 コンセプトからずれているということにです。

当初のコンセプトはオーガニック成分を使った、人にも地球にも優しいものだったはずです。 売上・利益確保のために、そのコンセプトがずれてしまったのです。

短期的に見ると、売れなかった商品が売れるようになり、利益も確保できるようになったということですが、 長期的に見ると、その商品は終売することになりました。顧客離れを引き起こしてしまったのです。

このように、コンセプトを守れない商品は終わってしまうのです。

たらればの話ですが、ここでずれずにそのコンセプトを突き通していれば、結果は変わったものになったのかもしれません。

それでは、次は売上至上主義に走る理由です。