ネットショップ検定・実務士に対する企業の評判とは|レベル別に需要を予測

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ネットショップ検定をご存知でしょうか。 ネットショップ運営に関する全般的な知識を扱った資格であり、 検定をパスすることでネットショップ実務士が名乗れます。 はたして実際ECを運営している企業においての評判と需要はどのようなものか見ていきたいと思います。

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ネットショップ検定とは

ネットショップ検定とは、ネットショップ運営に関する実務能力を証明するための資格です。

資格に合格すると「ネットショップ実務士」というたいそうな名前の認定書が貰え、 一応、Eコマース分野において、相応の知識があることの証明となります。

レベルは、1~5までの5段階あり、次のようなランクになっています。

入門については、セミナー受講だけで資格が付与されますので、割愛させていただきます。

レベル1 基礎知識

検定合格にすることで取得できます。

顧客対応や、サイト運営、集客などについて基本的な知識があるとされており、 ECにおいて指示があれば、それを遂行する能力があるとみなされるものです。

前半はECの歴史や、電子商取引(Eコマース)の定義など知識を問われる問題が多数あります。

また、法律に関する問題も数多く出題されており、ECについての知識を網羅している形になります。

実務のメインである画像加工や商品登録についてはあまり触れておらず、 どちらかというと受注後のオペレーター的な内容に留まっています。

まー、ECをまったく知らないで、基礎から勉強したいというのであれば止めませんが、 あえて、レベル1を受ける意味はないような気がします。

需要度でいえば1/10レベルです。資格を取らなくても新人を教えた方が早いです。

レベル2 実践知識

レベル2から実践知識となります。

知識というより、かなり実践的な内容になってきます。

受注~出荷における業務フローや、物流センターへの指示、 クレーム対応、商品管理など、オペレーション業務はほぼ網羅しています。

また、レベル2からWEBにおける制作業務についても触れてきます。

トップページをどう回収したらいいか、商品写真はどう取ればよいのかなど、 実際に人材として欲しい内容になってきます。

というのも、現場においてEC担当者に求められているものは、 この「商品登録」や「ページの加工」がほとんどです。

レベル2になることで、指示があればほとんどの業務がこなせるようになってくると思います。

あと、さわり程度のプロモーション内容が入ってくるので、 どのように商品をアピールしたらよいかという知識も手に入れることができます。

EC担当としてアルバイトを雇うのであれば、最低限この程度の知識は欲しいというのが本音です。

需要度でみると3/10程度。手が足りないときに欲しい猫の手レベルです。

レベル3 実務経験

ようやく中間レベルであるレベル3です。

このレベルになってくると、今後は実務経験相応のものが求められるようになります。

追加項目としてはマネジメントが増えてきます。

マネジメントといっても、レベル3程度のものですから、 ショップ全体を運営するにおいて全般的なオペレーションを統括するレベルになります。

平たくいうと、居酒屋におけるアルバイトリーダー的なやつです。

居酒屋の業務を全般知っているけど、仕入れるお酒の銘柄とかは決めれないですよね?

その他、目標数字を達成するために何ができるかなど、数字についての遂行能力も求められるようになり、 例えば、集客を増やすためにはどうしたらいいかという問いに対し、 ○○キャンペーンをしましょうなどの施策が打てるかどうかがポイントになります。

レベル3程度になると、アルバイトから契約社員で雇ってもよいかなーというのが本音です。

ちなみに、レベル3になると実務経験が求められるため、優良ネットショップでの連続した雇用証明が必要になります。

優良ネットショップとは3ヶ月間の売上が500万以上、単月の売上が100万以上のネットショップになります。

レベル2を取得した後、上記優良ネットショップへの勤務実績が40日以上ある場合において、 雇用主から証明書を発行してもらい資格取得となります。

ここで急にハードルが高くなるのが面白いですね。

需要度は5/10程度です。500万程度の金額を動かせるようになると勘が養われています。ちょっとほしい。

レベル4 EC企画能力

レベル4になってくると、EC全体の売場作りが求められるようになってきます。

商品の選定はもちろんのこと、プロモーションにおいても、自ら企画ができるレベルです。

例えば、冬商材としてお鍋セットを企画したとします。

このお鍋セットの具材の内容を決め、どこにプロモーションをするかを考えられるレベルです。

この場合は「お鍋」でリスティング広告を行おうとか、 夏に冷やし中華を買ってくれた顧客に対して、メールを打とうとか考えられる人です。

またWEBサービスにおけるセキュリティなどの技術についても知見があり、 一からECサービスを提案できる能力も求められます。

運営面に関しても、自らが目標設定でき、そのKPIに向かって推進力があるとみなされます。

レベル4の知見があるようでしたら、ぜひ正社員で雇いたいです。

ようは、一人でECサイト運営を立ち上げられるレベルが4なのです。

ここから現状では資格というものが存在しません。

このレベルになると、わざわざ資格が必要ないのかもしれませんね。

需要度は7/10。欲しい人材です。今すぐうちに来てください。

レベル5 EC経営能力

このレベル5になってくると、もうマネージメントの世界です。

さらに予算や事業化なども視野に入ってくるため、EC単体で儲けがでるかを考えられる人でないとなれません。

人材マネージメントとして、スタッフのモチベーションコントロールや目標設定のKPIはもちろんのこと、 KGIについても経営層としっかりコミットできる能力が必要です。

EC事業として、何年でペイできるか、人件費はいくらかかるのかなど、 F/Sの知識も必要となってきます。

こんなレベルの人がいると、一事業を任せてみたいです。

EC部長として働いてみませんか?

これが大まかに見た、ネットショップ検定でのレベル設定です。

実際に未経験が取得できるのは、1~2レベルであり、それ以上は実務が必要ですので、 なかなかにハードルが高いのではないでしょうか。

*もちろん需要度は10/10。事業部長でどうでしょう。**

資格で就職が有利になる?

アルバイトレベルの就職であれば、レベル1~2を取っておいてもいいかと思いますが、 実際にEC運営の求人を見てみると、未経験でもOKな内容ばかりですので、 わざわざ資格を取らなくても良いと思います。

未経験で入って3ヶ月もすれば、間違いなくレベル2程度の知識は入ります。

レベル3になってくると、少しプロモーション的なものが実務としてありますので、 そこについては、就職先によっては触らせてもらえない所かもしれません。

なお、ネットショップ検定自体が全然メジャーではないため、 EC担当の採用者が認知しておらず、あまり効果がない可能性もあります。

資格の有無であまり有利にはならないかもしれませんが、テキストの内容は結構良いものですので、 ECに興味があるのようであれば、読むのは読んだ方が良いと思います。

資格を取る意味は?

これ、ある意味資格ビジネスな感じもしますが、新人に対する教育としてはかなり有効ではないかと思います。

というのも、レベル1でとりあえず基本はおさえており、レベル2でコピーの書き方なんかも学べるので、 未経験で入ってきた新人に対する教育の一環として、受検させるのはありかなーと思います。

ECの一部分だけしか必要がない業務だとしても、 ECの流れ全体を知っているとだいぶと効率が変わってくると思うからです。

ぜひとも勉強のためにEC担当に取らせてみるのも良いと思います。

WEBマーケティングとの関連性は?

ちなみに、WEBマーケティング業界に飛び込もうと考えている人にとっては、ECの知識は絶対的に必要です。

というのも、販促や商品知識といった最終出口はほとんどがECだからです。

ECを知らないで、WEBマーケティングはできないといっても過言ではないぐらい密接な関係ですので、 WEBマーケティングを目指される方には必須の知識としてあった方が良いのかもしれません。

WEBマーケティングについて詳しく知りたい方は下記記事をご参考ください。

https://damema.net/article/45/

これからのネットショップ検定はどうなる?

まだまだメジャーじゃないこの資格ですが、そこまでメジャーに躍り出ることはなさそうな気がします。

というのも、EC自体が常に変化しており、昨日の最新は今日の古典なんてのもあるからです。

ますます発展していくECですが、実は国内のEC自体は若干のびなやんでいます。

楽天も国内ECで稼ぐのではなく、金融商品や広告で稼いでいる現状です。

独自商品を独自で販売するようなECであれば、まったく問題ありませんが、 それこそどこでも手に入れられる仕入れ品を並べただけのECでは意味がありません。

という意味でのネットショップ検定は、ただのECの運営にフォーカスするのではなく、 商品の独自性の持たせ方などのマーケティングにフォーカスしていかないと、 時代遅れの資格になってしまう可能性があります。

ECだからといって売れる時代じゃなくなってきた昨今、 資格についても成長していけばよいと思います。

以上、ネットショップ検定についてでした。