KKDとは|勘と経験と度胸?これからのKKDは仮説・検証・データで決まり!

マーケティング

勘・経験・度胸の頭文字をとったものがKKDです。 比較的若い人は旧KKDなんて知らないかもしれませんが、 新KKDは知っていてほしい!これからの新KKDを解説します。

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昔の「KKD]それは勘と経験と度胸

KKDというと、おじさんたちはきっと「勘・経験・度胸」を思い浮かべると思います。

よく、仕事はKKDが大事とか、逆にKKDに頼りすぎるななんて言葉、上司に言われていた世代です。

長年仕事をしていると、必ずしも「勘」が身につきます。

例えば、この商品すごい人気が出そうな気がするとか、この案件きな臭いんだよななんていうのは、 勘によるところが大きいものです。

そして、その勘を育むものはなんといっても「経験」です。

経験から人は学んでいき、何かしらの特徴を概念として捉えます。 それが経験則でたまっていくと、勘として発動するのです。

最後に「度胸」です。

これは、勘、経験で感じたことを実行に移す力です。

おいしい話があったとしても、何か勘がおかしいといっているので、ペンディングにするとかはよくあることです。

このように、勘と経験と度胸という三つの頭文字をとったものを、KKD法という呼び方もします。

もちろん、これはこれで”あり”なのかもしれませんが、デメリットがあります。

それは、仕事が属人化してしまうことです。

結局、勘も経験もその人でしか成しえないもののため、その人がいなくなってしまうと仕事が分からないだったりとか、 勘がさえていた同僚が転勤したため、リスクを負うことになってしまったなど、個人に偏ってしまいます。

仕事においては、多少の効率性は無視してでも、もっぱら標準化が進められます。 つまり、誰でも同じ仕事をこなせることが重要とされており、KKDは悪となってしまったのです。

このようなKKDですが、最近あたらしい頭文字を取ってKKDと言われるようになってきたものがあります。

それは「仮説・検証・データ」の頭文字をとったKKDです。

これからの「KKD」は仮説と検証とデータ

WEBマーケティング時代のKKDはまさに仮説と検証とデータの連続です。

これはWEBマーケティングのフローを見ることで簡単に理解することができます。

WEBマーケティングのフローの第一歩は仮説です。

例えば、あなたがリスティング広告を出そうと考えていたとしましょう。

このリスティング広告のターゲットは誰にしますか?

アパレル関係の会社のあなたは、まずどんなリスティングキーワードを考えるでしょうか。

「冬物アウター」「ロングコート」「あったかデニム」

いろんなキーワードがあると思いますが、何かしらのアイデアを出しながら出稿すると思います。

これが「仮説」です。

あなたは今まさに「冬物アウター」という検索キーワードで来るお客さんが購買力が高いと考えたわけです。

広告を出稿して数日がたちました、あなたの考えた「冬物アウター」から来たお客さんは、どれだけ購入に繋がったでしょうか。

もしかしたら「ロングコート」の人のほうが購入率が高かったかもしれません。

このように、キーワードの効果測定をすることを「検証」といいます。

そして、検証した結果「あったかデニム」が一番よかったと分かりました。 次の出稿にはきっと「あったかデニム」というキーワードを使って、オーディエンスを広げるかもしれませんし、 「裏起毛デニム」というデニム寄りな広告を増やすかもしれません。

こうやって知見を溜めていくことを「データ」を溜めていくといいます。

こう見てみると、普段からKKDを意識して仕事をしていることがわかります。

これがマーケティング領域における新しいKKDなのです。

それでは、もう少し「仮説」「検証」「データ」について詳しく見ていきたいと思います。

仮説の立て方

仮説を立てるとはどういうことでしょうか。

まず、仮説の定義から見ていきたいと思います。

仮説とは、真意はともかくとして、ある事象についての法則性を説明することです。

ちょっと難しいので噛み砕いて言うと、何かしらの商品が人気だとして、その理由を考えることです。

科学的なことや物理学的な意味での仮説とは、事象があってはじめて仮説になるのですが、 マーケティング的にいうと、事象が起こる前に人気が出る理由を考えることを”仮説を立てる”といいます。

というのも、マーケティングの分野においては、決まった超自然法則的なものは存在せず、 すべて”人”によって起こされる事象だからです。

つまりはマーケティング的な仮説とは、未来に起こすべく物事を計画することを指します。

まさに、先ほどの例題で出したリスティング広告の出稿計画そのものです。

この仮説ですが、何も適当にやっていいわけではありません。

根拠が無い仮説のことを「思いつき」といいます。

この「思いつき」で販促をやってしまうと何も残りませんのでご注意ください。

仮説を考えるときにおすすめなのが、着目、事象、仮説、根拠の思考プロセスで考えることです。

あなたがアパレル関係の仕事をしていたとして、まず着目点はどこかを考えてください。

この着目とは簡単にいうと「目をつける」ことです。目の付け所ってやつです。

あなたはデニムに目を付けました、そのデニムに目を付けた理由は?

昔のデニムと違って、体感温度が2度も上がる新素材だから。これが事象。

着目して事象が分かると、もちろん仮設を立てますよね?

体感温度が2度もあったかい新素材の裏起毛デニムが発売します。

仮説としてはどうでしょう。この商品をどう宣伝すると購買率があがるでしょうか。

あなたは「エアコンの温度が2度下げられる裏起毛デニム」なんていう仮説を立てました。

まさかのデニムを省エネに繋げたのです。

そして根拠。

今年の冬は寒い、エアコンが必須。でも乾燥肌のためエアコンを付けっぱなしにできない。

それならば足元から暖かくして美容にも健康にもそして省エネにも!なんていう根拠を思いつきます。

これで、リスティングのターゲットや広告内容の「仮説」が立てられたと思います。

つまり、仮説とは思いつきではなく、しっかりとした思考プロセスのもと立てることが大切なのです。

検証の行い方

仮説を立て何かしらの結果が返ってきました。

インターネットな時代、翌日には結果が分かるのがいいですよね。

このフェーズが検証フェーズです。

仮説を実行し、検証を行う。

その検証を元に、もう一度仮説を行う。

このループが生まれることで、仮説がブラッシュアップされ、目的に近づいてきます。

それで、実際の検証のやり方なのですが、一度に全部変えないことをおすすめします。

というのも、検証というのは何が正解で何が悪かったかを把握するプロセスでもあるのです。

広告のキャッチコピー、ランディングページ、ターゲットなどすべてを一度に変えてしまうと、 仮に反応がよくなったとしても、原因が分からないですよね?

最初はキャッチコピーを変えてみる、それで反応が悪かったら、ランディングページを変えてみるなど 一つ一つ検証していかないと、意味のないものになってしまいます。

これでは、次の「データ」部分で活かすことができません。つまりは知見が溜められないのです。

検証がおろそかになってしまうと、PDCAサイクルが回せなくなりますので、無意味になってしまいます。

検証の行う上では一つ一つ変化させ反応を見ながら寄せていくことに注力してください。

データの種類と活用法

このデータ部分は二通りのデータがあります。

ひとつは、仮説を行う前に仮説を立てるためのデータです。

いわゆるデモグラフィック的なデータだったり、ネットでのアンケートデータだったりがひとつ目です。

そして、もうひとつは、先ほどからお伝えしている”知見”です。

仮説と検証のループを回していくと、どんどん知見が溜まっていきます。

この知見をデータとして活用することで、それこそ会社にとってのノウハウが残っていきます。

リスティング出すタイミングはお昼過ぎがいいだとか、土日はリスティングをストップさせたほうがコスト削減になるとかそういうものが溜まっていきます。

これが後々、勘と経験と度胸ではないKKDになるためのキーファクターです。

データをデータとして溜めることができれば、もしあなたがマーケティング担当じゃなくなったとしても、そのデータは活用されていきます。

効率がどんどん上がっていく、正のスパイラルに入った瞬間です。

データは活用されてはじめて意味を持ちます。

ただし、そのデータはただのデータではなく、それぞれ意味を持たせたデータでなければ活用できません。

意味を持たしたデータ、つまりは知見が溜まると、次の仮説を立てるためのバックデータとしても機能していきます。

このように、将来に活用できるデータを集めることが更なるマーケティング成功への近道になるのです。

これからのKKDについて

以上、いままでのKKDとこれからのKKDについてお話させていただきました。

勘と経験と度胸、古きよき時代はそれでもよかったのですが、時代の流れがインターネットによって急速に速くなってきています。

逆に言うと、今までの経験による勘は役に立たなくなってきているということです。

これからのKKDをどれだけ短いサイクルで回せるかが、今後のWEBマーケティングにおいては必須だと考えています。

今現在、リスティング広告のバナーなんて一種間で陳腐化し、だれもクリックしなくなります。

この一週間という短いサイクルで、PDCAをうまいこと回していかないと、他社に負けてしまう可能性だってあるのです。

仮説と検証を繰り返し、データとして反映する。そんな新しいKKDをこれから活用していくと良いのではないでしょうか。