ビジョンは必要?ビジョンを持つ企業がブランディングに成功している5つの理由とは

マーケティング

ビジョンとブランディングは切っても切り離せないほど重要な関係があります。 有名企業がブランディングに成功している理由はビジョンにありといってもいいほど大切なビジョンの力を説明します。

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ビジョンとは

ビジョンというのは、未来像、先見の目という意味で使われます。

ここで勘違いしてほしくないのが、ビジョン=ドリームではありません。

よく、経営講座などを聞くと、ビジョンを持ってとか、ビジョンに向かってという言葉を聴きますが、 結構、夢と混同している場合が多いのが驚きます。

これは、語源から見ても明らかであり、英語ではVisionと書きますが、これはVisualや、Visibleなどといったものの仲間です。

つまり、Visという言葉の語源はすべて”見る”の意味が含まれているのです。

一方、ドリームはDream、意味としてはどちらかというと、願望の入った実現させたいものといったニュアンスです。

厳密に言えば、Dream=夢ではないのですが、そのあたりは置いておきましょう。

つまり、ビジョンとは見えているものであり、ドリームとは志しや、願望といった意味で捉えていただければ大丈夫です。

そう考えてみると、ビジョン=ドリームではないのが良くお分かりではないでしょうか。

夢だけではブランディングは成功しません、しっかりとしたビジョンがないと方向性が定まらないからです。

なぜビジョンが必要なのか

ビジョンというのは、未来像とお伝えしました。

そして、夢というのは願望というのもなんとなく理解いただけたかと思います。

たとえば、あなたが東京大学に合格したいという夢があったとします。立派なことです。

この夢だけでは実現するのは難しいでしょう。

というのが、夢だけでは方向性がわからないからです。

あなたは、東京大学にいくために何が必要か、何が自分の武器なのか、そもそもどうやって東京大学に合格するのか検討つくでしょうか。

そこでビジョンが必要になります。

東京大学に行くための展望やプラン、苦手の克服など、今の時点から見た(Vis)その先がビジョンなのです。

あなたは、東京大学合格に向けて、現時点のあなた自身を見直します。

ここでビジョンを立てます。

「東京大学合格のために数学を得意科目にする」

立派なビジョンが出来上がったと思いませんか?

つまり、ビジョンとは今いる場所から見た未来像の意味であり、現時点から未来への方向性を指し示すものなのです。

これが、ドリームとの大きな違いであり、なぜビジョンが必要なのかは明白です。

有名企業のビジョン

ビジョンが現時点からの方向性を指し示すものだとわかりました。

ここで、有名企業のビジョンを簡単にご紹介させていただきます。

Google

「1クリックで世界の情報へアクセス可能にする」

Amazon

「オンライン上であらゆるものを発見し、購入できる場をつくること」
「地球上で最もお客様を大切にする企業」

Starbucks

「職場でもなく家庭でもない第3の場所」

LINE

「私たちのミッションは、世界中の人と人、 人と情報・サービスとの距離を縮めることです。」

それぞれ、すばらしいビジョンです。どれもが、実現させていると思います。

そして、それぞれ自分のビジネスの延長上、つまり現時点から見た未来像が反映されているのはお分かりだと思います。

ビジョンがあれば有名企業になれるわけではありませんが、ビジョンが無い有名企業は無いといっていいほど、 かならずビジョンを中心に事業をされています。

このように、ビジョンを持つことでぶれない経営ができるのがビジョンの力のひとつと言えるでしょう。

では、これらのビジョンが持つ力はどんなものがあるのか見ていきましょう。

(1)ビジョンを持つと信頼感が増す

先ほどちらっとご紹介した事例です。

ビジョンを持つことによって、ブランドだったり企業だったりの方向性が”ブレ”なくなります。

この”ブレ”ないというのは、非常に重要なポイントです。

どんなものであれ、ブレないものには信頼感がありますよね。

例えば昨日上司に「今回のプレゼンでは安さを前面に出していこう」と言われていたのに、 今日プレゼンの本番になって「やっぱり高級路線の内容で」とか言われたら、混乱してしまい、きっといいプレゼンはできません。

ブレないためには、現時点と未来とを結ぶ線がしっかりと繋がっている必要があります。

その線をつなぐ役目をしているのがビジョンなのです。

この場合、最初からブランドのビジョンをしっかり決めていないのが良くなかったのでしょう。

どちらにしろ、ブレることはすべてにおいて信頼を失うことになりかねません。逆に言うとブレないことは信頼感に繋がるのです。

(2)ビジョンを持つと迷いが無くなる

ビジョンを持つことで、断然迷いがなくなります。

ご紹介した、Googleなんかは「1クリックで世界の情報へアクセス可能にする」です。

たとえ、斬新なサービスを思いついたとしても、それが複雑なものであったり、クリックが異常に多かったりすると、きっとGoogleはサービスインしません。

Starbucksはザ・サードプレイスを掲げています。 ようは、家庭と職場を繋ぐ第3の場所ということで、リラックスしてほしい空間の演出をしているのです。

なので、スターバックスはゆっくりとした時間を過ごせますよね?

そして、コーヒー一杯で何時間いても、決して客に出て行けなんてことは言いません。

サービスにしろ商品にしろ、何かにつけて迷いがでた場合でも、ビジョンがあることでその迷いを消し去ることができるのです。

(2)ビジョンを持つと意思統一がしやすい

企業であろうと、ブランドであろうと、一人で運営できるものではありません。

当然、色々な人が関わってきます。

そんなとき、全員が共通のビジョンを持っているとどうでしょうか。

もちろん、意見がまとまりやすくなります。

新しい商品を作るとします。

きっと、さまざまな意見が飛び交うことでしょう。

LINEが新しいサービスを提供することにしたとします。

それぞれの部署からいろんな意見が出てきました。

そんな中、ビジョンを見直すのです。

「私たちのミッションは、世界中の人と人、人と情報・サービスとの距離を縮めることです。」

それは、人と情報の距離を縮めているかが最重要ポイントになるわけです。 きっと、意思統一もすばやく解決してくれると思います。

ちなみに、共有されやすいビジョンを持つことが意思統一にはおすすめです。

(4)ビジョンを持つと今どこにいるのかが分かりやすい

ビジョンの役目として今と未来とを繋ぐものだという説明をしました。

この線が繋がっている状態というのは、ひとつの物差しにもなるわけです。

5年後、10年後のビジョンがあると、2年目の今はどこにいるのかが分かりやすいですよね。

もし方向性が少しずれているのであれば修正できますし、遅れているのであれば何が遅れた原因かを検証したらいいわけです。

今と未来像との距離を測るためにも、ビジョンを持つことが必要なのです。

(5)ビジョンを持つことで効率が上がる

ビジョンがあるということは、何をしたらいいかわかる様になります。

何をしたらいいかが分かるということは、それだけ効率が上がります。

闇雲に仕事をするよりも、目的に向かって仕事をした方がモチベーションも維持できますよね。

例えば、上司に言われていつ終わるかわからない書類整理よりも、 プロジェクトの概要が分かっていて、その書類がいつ必要で、こんな効果があると分かっている方が、質においても時間においても効率が良くなります。

その大元にいるボスがビジョンなのです。

そして、効率が上がるということは、それだけ目的までに素早くたどり着けるということです。

いわば、ビジョンが関わっている人たちをひっぱってくれるわけです。

効率・モチベーションを上げるためにも、ビジョンの力は必要なのです。

ビジョンがブランディングにおいて必須な理由(まとめ)

これまで、ビジョンとは方向性であり、ビジョン自体にも力があるというお話をしました。

ここまで読んでいただけたなら、ビジョンはブランディングに必要だということを理解できるはずです。

ブランディングにおいてビジョンを持つことの意味は、まとめると次の通りです。

  • 現時点での立ち位置を把握できる(ブランドの立ち位置)
  • 今の時点から未来像に対して線を引ける(ブランドをどうしていくかが分かる)
  • 意思統一が図りやすい(ブランドの世界観がブレない)
  • 現在の位置が把握できる(ブランドの定点観測がしやすい)
  • 効率が上がる(ブランドを広めるための時間が短くてすむ)

つまり、ブランディングを行うにあたっては、商品ブランドだろうと企業ブランドだろうと、 自分に向き合い、方向性を見定める必要があるということです。

そして企業全体で意思統一を図り、それぞれのモチベーションアップにも繋がるため、ブランディングに成功しやすいのです。

ビジョンをしっかりと掲げている企業のすべてが成功しているとは癒えませんが、 ブランディングに成功している企業は、ほぼ全部がビジョンを掲げています。

このように、ビジョンとはブランディングを成功に導く過程において、非常に重要な要素なのです。

もし、あなたが企業ブランディングや商品ブランディングを行う立場の人であるのなら、 もう一度、ビジョンを再確認するのもいいかもしれません。