取りあえず売上を上げろ!の前にコンセプトが無いものは売れません

マーケティング

「コンセプトは近未来でいこう!」「今回はナチュラルをテーマにしたコンセプトで」どこかの企画会議でよく聞く言葉ですが、それってコンセプトでしょうか。一般的な解釈としては間違っていないと考えますが、マーケティングの分野ではもう少し踏み込んで考えていきたいと思います。

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コンセプト=概念?

コンセプトとは日本語的に訳すと概念であり、みなさん当たり前に使っている言葉だと思います。 マーケティング的には非常に重要な概念ですが、コンセプトワーク、コンセプト設計などを実際の商品開発前にしている企業はどれだけあるでしょうか。商品やサービスにとって、コンセプトとはマーケティングにおける根幹の部分でありますが、これが後々ずれてしまうことは多々あります。

では何故、決めたはずのコンセプトが意味の無いものとなってしまうのか。経験談として多いのは、商品デザイン、ネーミング程度にしかコンセプトを適用してない場合が多いからではないでしょうか。

全体を通してのコンセプトになっていない

商品のコンセプトは先ほど述べたように、意外とすぐに思いつくものです。例えばナチュラルをコンセプトに等は、多々商品企画段階で出てくると思います。そして、そのコンセプトに従ったオーガニックなデザインだったり、自然成分訴求の製品だったりなど「ナチュラル感」を出すのはそう難しいものではないのかもしれません。

ただ、よくよく考えてみてください。そのナチュラル感って、商品だけにしか反映されていないのではないでしょうか。結局、ナチュラルを好む顧客の行動様式、場所、さらには広告など多岐にわたって、先ほど決めたナチュラルというコンセプトが浸透しているでしょうか。

この全体を通したコンセプトというのは非常に重要なことであり、例えばナチュラルとは遠ざかる販路での販売だったとしたらそれはもう世界が変わります。ずれているのです。時にはその販路では売らないという決断も必要かもしれません。はたまた、ナチュラルコンセプトなのにインターネット広告出稿先は全然違ったりなどしているかもしれません。その場合、広告出稿先は自社でコントロールできるか確認が必要かもしれません。

つまりは、ナチュラルとは何か、ナチュラルを突き詰めた先にある世界観を演出できていない場合が多いのです。

コンセプトは右脳で感じる

これは何となく感じているかもしれません。コンセプトは”言葉”ではありますが、感じるのは”右脳”です。つまり非言語コミュニケーションなのです。私らしさ、ブランドらしさって、実際に感覚の部分が多くないでしょうか。

非言語脳というのは、どちらかというと長期記憶脳です。人の顔を覚えているけど、名前って覚えられないですよね。それと同じで、イメージの方が覚えやすく忘れにくいのです。言語学習をしているときなどは「文字で覚えるな、イメージで覚えろ」なんて先生に言われたことはありませんか? まさに右脳は長期記憶にうってつけの脳なのです。

右脳で覚えてもらうには

では、右脳で覚えてもらうためにはどのような伝達手法(=コミュニケーション)が必要なのでしょうか。

マーケティング的に考えるのであれば、顧客に必要であると瞬時に理解させ、右脳にイメージを作り上げること。 その商品の利用シーン、将来これを使って自分はどうなるかなど、一瞬でイメージさせることが必要となってきます。

それは文字だったり、写真だったり、様々な手法があると思いますが、大事なのは一瞬で絵を作り上げられるかです。

瞬間右脳イメージにはコンセプトが必要

ここまで読んでいただければコンセプトの役割はどれだけ大事かお分かりになるかと思います。つまり、コンセプト設計とは世界そのものを作り上げることであり、単純な言葉やイメージではないこと。顧客の右脳にしっかりとイメージを作り、定着させる必要なもの全てがコンセプト設計なのです。

例題に出ているナチュラル一つとったとしても、どのようなイメージでナチュラルを演出するか。顧客の手に渡るまで経路としてふさわしいのはどこか。使用シーンはどんな場所かまでを組み立てていかないと、世界観は伝わりません。世界観が伝わらないので、右脳にヒットしない。ヒットしないので覚えてもらえない。このような悪循環が生まれるのです。

コンセプトの定義

ずばり、コンセプトとは世界観の定義だと考えます。そのブランドを見たときに、その商品の世界観が頭に浮かんでくること。エルメスって聞くだけで、詳細は分からないにしろ、高級、外国人がバッグを持ってるっていうイメージ浮かんできませんか? それがコンセプトの根幹であり、最も表現したい世界感が表現できているということなのではないでしょうか。ユニクロなんかはコンセプトがわかりやすく、大成功している例だと思います。

結局、コンセプト設計を成功させると、ユーザーに共通の認識ができるため、その世界観がより多くの人に認知してもらえるものだと考えます。つまりはコンセプトの成功=ブランドの成功に繋がるのです。そこ疎かにしちゃっていませんか?

コンセプト無きマーケティングの失敗(まとめ)

  • 商品イメージ=コンセプトと考えている
  • コンセプトを言語だけで表現しようとしている
  • コンセプトを聞いて絵がでてこない

上記にどれか当てはまる商品・サービスは――要注意です。