新幹線に乗る時、少しでも安く乗りたいと思ったことはありますよね。しかし普通に新幹線に乗ると全然割引が効きません。早割を使ったとしても、その割引額はせいぜい1,000円程度です。しかし格安旅行パックは往復新幹線よりも安いのは不思議だと思いませんか?
結論から言うと実は新幹線って割引できない
服、食事、家具、生活する上でありとあらゆるものは、セールという名で割引されるのが当たり前な感覚になっていますが、実は新幹線は気軽に割引できません。
それは何故か・・・鉄道事業法という法律があるからに他なりません。
鉄道事業法なんて普段生活していると全然聞かない法律ですが、法律ですので守らなくてはいけないのはご承知の通りです。
その中で、こんな感じで定義されているのです。
運賃には、基本的な運賃としての「普通旅客運賃」及び「定期旅客運賃」の他、「貸切旅客運賃」、「特殊割引運賃」等があり、また、料金には、「特急料金」、「急行料金」、「グリーン料金」、「入場料金」等があります。
※引用出典:国土交通省
これは分かりますよね。普段から目にしている料金です。しかし、法律に定められているとは誰も気づきませんよね。まずはこの運賃の定義をしっかりと頭に入れておきましょう。
そしてさらに、このようにも書かれています。
これらの運賃・料金の設定及び変更の手続きは、「鉄道事業法」に規定されており、認可申請または届出が必要となります。
※引用出典:国土交通省
ふぁっ!?
料金を変更するには、許可申請もしくは届出がいるとのこと。アパレルとかドラッグストアみたいに、自由に値引きができないんですね。これでは中々変更できません。そりゃいつも定価だわ。
それでは、許可申請が必要なものと、届出が必要なものを見ていきます。
運賃及び料金の上限の設定及び変更は国土交通大臣の認可を受けることになりますが、上限の範囲内で定める運賃等(同法16条第3項)や特急料金(新幹線鉄道に係るものを除く。)、グリーン料金、寝台料金、座席指定料金等(同法16条第4項)の設定、変更は事前の届出でよいとされています。
※引用出典:国土交通省
運賃は許可が必要とのこと。基本料金改定には労力がかかるのが伺えます。
一方、特急料金、グリーン料金、寝台料金などは届出で良いそうですが、一度届出してしまうと後で変更もできませんよね。これが〇〇セールなどを謳って表に出せない理由です。
ついでに、他の料金はこんな感じ。
回数旅客運賃や運賃及び料金の支払いのためのプリペイドカード等の割引や、適用する期間、区間、その他の条件を定めて行う運賃・料金の割引も割引率に関係なく届出でよいとされています。
※引用出典:国土交通省
回数券、ICカードの割引についても届出が必要です。まとめるとこんな感じ。
- 許可が必要:乗車運賃
- 届出が必要(オプション):特急料金、グリーン料金、寝台料金、座席指定料金
- 届出が必要(割引):回数券割引、ICカード、プリペイドカード、区間割、曜日割等
そう考えると、新幹線乗車に関わる料金が割引できないの仕方が無いのかも。
だって、法律ですもんね。守らなきゃいけないわけです。
さて、それでは本題の格安旅行パックなぜあれだけ安くできるのかです。
格安旅行パックは運賃じゃない
屁理屈極まりないのですが、旅行パックは旅行というサービスが商品なので運賃じゃないんです。あくまで、旅行を楽しむための料金ですので、運賃と解釈されないのです。
運賃とは、あくまで運送に対する対価のことを言います。
一方、料金は運送以外の施設利用や役務などを指します。
運賃と料金は違います。そう考えると、目的が運送することではなく、旅行を楽しむことであるので、なんとか料金という解釈になっているのかなと推測できます。
そうなると鉄道事業法の法律は適用されなくなるため、大幅な割引が実現できるわけです。
本当に屁理屈な気がしますが、安くなるので消費者としては大歓迎ですよね。(笑)
それでは、実際にどのぐらいお得になるのか例題を見ていきます。
格安旅行パックを使った場合のシュミレーション
新幹線利用の旅行パックと言えば日本旅行さんが有名ですので、日本旅行さんのプランを一部見てみましょう。例えばこんなプランがあります。
最安値で23,800円。高くて38,400円です。
ちなみに、これは往復の新幹線チケット込みの値段です。
あら、新幹線片道って確か14,850円するんじゃ・・・往復だと29,700円かかっちゃいますよね。
実質ホテル代タダやん。というか赤字。
ニューオリエンタルホテルも1泊6,000円程度しますが、よくよく見てみると、このプランは2泊です。つまり、ホテル代として12,000円程度はかかるわけです。
それぞれ合計してみると、29,700円(新幹線代往復) + 12,000円(ホテル代2泊)で 41,700円が上代ってことになります。
それが、この格安プランが23,800円だとすると、その割引率は約43%引きです。ほぼ半額。
というか、新幹線代往復(29,700円)よりも安いってオカシイですよね。
仮にホテルに泊まらなくても、正規の値段よりも20%も安く東京から大阪に行けるわけです。
まさに、運賃じゃなくて旅行パック料金ですよとした好例。消費者にはうれしい限りです。
各業者における手取りの内訳はこんぐらいじゃないかなと推測します。
新幹線事業者14,000円、ホテル業者6,000円、旅行代理店3,800円。
あくまでセットなのでその事実は分かりませんが、料金をうまいことぼやかすことで、法の目を潜り抜けていますね。
グリーン車も割増料金が安い
ちなみに、グリーン車においても割引があるみたいです。
通常片道で4,780円の割り増し料金が取られますが約半額の2,400円の料金でグリーン車に変更できるみたいです。僕の検証では、新幹線のグリーン車における実質コストは3,900円かかっている計算なので、それが2,400円なら格安です。詳しくは下記の記事をご確認ください。
このように、往復グリーン車にしたとしても、その金額は23,800円+4,800円なので28,600円となり、やはり正規の新幹線の価格よりも安い価格設定です。
間違いなく旅行パックで東京-新大阪を往復した方がお得ですね。
ちなみに、グリーン車プランで検索するとこんなプランもありました。
このホテル、安くても32,000円はするホテルです。これがセットになることで、47,400円で行けるってすごい安いですよね。グリーン車で東京ー新大阪を往復すると39,200円かかっちゃいます。つまり、71,200円相当が47,400円なので33%程度も割引されています。
まとめ
新幹線を単品で乗るより何かしらの旅行パックを使った方が得なのはご理解いただけたでしょうか。新幹線の運賃に隠された秘密も何となく見えてきたのではないでしょうか。
ちなみに、今回ご紹介させていただいた日本旅行さんは本当にお得ですので、遊びに行くときは正規でチケットを取るよりも旅行会社を通すようにしてください。
旅行と言えども数万単位で変わってきますので、その分、おいしいものを食べた方が良いに決まっていますよね。新幹線は安くてもサービスレベルは変わりませんのでご安心を。
また、グリーン車にも是非乗ってみてください。少しリッチな気分を味わえます。是非、下記の日本旅行さんで楽しんできてください!