化粧品を作る仕事がしたいけど、理系じゃないとできないのでしょうか。どの学部が有利なのでしょうかと就活大学生から質問を受けることが多々ありましたのでお答えします。内容にもよりますが文系でも化粧品に関する仕事は全く問題なくできます。むしろ文系の方が多いのが化粧品業界なのです。
化粧品を作る仕事は理系だけじゃない
化粧品と聞くと、化学の知識が必要で理系なイメージがあります。これは、テレビCMなどで白衣を着た人が多数でているので、ついつい理系のイメージが付いた結果かなと。富士フイルムさんとかのCMを見ると、思いっきり理系なイメージが付いちゃいますよね。
しかし、化粧品を作るのに、理系の知識が必ず必要ではありません。化粧品を作る過程の、どの部分の仕事を担当するかで変わってきますので、化粧品を作る大まかな流れを見てみましょう。
化粧品を作る大まかな流れ
まずは化粧品を作るうえでの大まかな流れを知っておきましょう。化粧品を作る過程は次の通りです。
- 化粧品の市場調査をする
- 化粧品を企画する
- 化粧品を開発をする
- 化粧品をテストする
それぞれのフェーズの仕事を詳しく見ていきます。
化粧品の市場調査をする
化粧品の市場調査における仕事を担当するのはマーケティングの仕事です。この仕事は、どのような化粧品が売れているか、世の中のニーズは何かなどを調査する仕事です。マーケティングの仕事は文系出身者が多く、理系のイメージはまったくありません。
化粧品を企画する
化粧品の企画を担当するのは商品企画が中心です。化粧品の企画とは、世の中のためになる化粧品を考えることです。美白のニーズがあれば美白化粧品を企画したり、メイクの需要があればメイクアップの化粧品を企画したりします。
化粧品の企画はあくまで「こんな商品があったらいいな」を考えることです。こんな人に使ってもらいたい。この商品によって、こんなベネフィットを感じてもらいたいなど、根幹となるコンセプトを決めていくことです。こちらも文系出身者が多く、理系の仕事のイメージがまったくありません。
化粧品を開発する
商品コンセプトを元に、実際の製品に落とし込む仕事です。これは商品開発と呼ばれている仕事になります。例えば、美白化粧品を作るために、パッケージデザインはこうしようだとか、機能は美白の他にUVも入れようなど、商品のスペックを決める仕事です。実は商品開発においても、それほど理系はいませんが、化粧品の原料や機能について詳しく知っておく方が仕事としてはすすめやすいです。
化粧品をテストする
サンプルが出来上がった化粧品をテストするのは、主に品質保証の仕事です。形而変化、細菌検査、肌トラブルが無いかなど、化粧品の品質に関することを主に取り扱います。この仕事においても、文系、理系が半々のイメージです。
こう見てみると、化粧品を作るのに理系必要ないじゃん!と思われることでしょうが、実際にほとんどの会社における化粧品の企画の仕事に従事しているのは文系出身者です。
化粧品の商品開発についてはより詳しい記事がありますのでご参考下さい。
それでは、あの強烈な白衣の理系イメージは何なのでしょうか。
化粧品研究の仕事が理系
まずは例の富士フイルムのCMを見てみましょう。
富士フイルムでは、ディープ紫外線防御技術を研究しています。
新しい成分の抽出方法の研究や、お肌がきれいになる成分の実験などが研究の仕事にあたります。研究分野ですので理系じゃないとほぼなれません。
それにしても、白衣は本当に理系のイメージですね。
化粧品の研究は次のような仕事があります。
- 皮膚科学の研究
- ヘアケアの研究
- 新成分の抽出方法
このように、商品開発というよりかは基礎研究の仕事です。化粧品技術研究の研究員が発見、開発した技術を元に化粧品に応用されるわけです。
もし、進みたい道が研究職というのであれば、理系の知識は必須となります。
自分がどちらの分野をやりたいのか
もしあなたがドラッグストアなどで販売されている商品を作りたいと考えているのであれば、化粧品企画の道です。つまり、文系でマーケティングや企画を学ぶ必要があります。
一方、お店に並べられている商品をより深く知り、新しい成分を作りたい、根本から美容を変えたいと思うのであれば化粧品研究の道です。大学院に残り、研究の基礎を学び研究員への道と進むわけです。
学生の80%ぐらいの人が前者を希望されている感覚なのですが、後者の学生もいるのかな?
結局、自分の進む道がどこかで学部は変わってくるわけです。
化粧品を作る仕事に有利な学部
自分がどんな道に進みたいのかを把握することが最初の一歩。決まったら次を参考に学部や科目を選んでください。
化粧品の企画がしたい人の学部
化粧品の企画がしたいあなたは、次の学部が有利です。
おすすめ学部
- 経営学部
- 商学部
- 心理学部
化粧品の企画をするのにはマーケティングの知識は押さえておきましょう。他に原価系、統計学系もあると開発、調査に便利に使えます。
化粧品の研究がしたい人の学部
研究職になりますので、理系は必須と言えます。
おすすめ学部
- 理学部
理学部の中で、生命科学、化学などを学ばれる方が良いかと思います。リアルな研究がしたければ大学院まで行くことをおすすめしますが、薬品会社ではなく化粧品会社であれば大学卒でも問題なく就職できます。
まとめ
研究開発と一括りにされていることが多いですが、化粧品の企画においては、そこまで専門性は必要ありません。それよりかは、化粧品が大好きな事の方が何十倍も大切です。化粧品業界はこれからますます伸びていく市場です。文系/理系に関わらずチャレンジしていきたいですね。
また、商品企画に関する記事を複数書いておりますので、参考にしてください。