商品企画やマーケティングなど”企画”がメインの仕事は、文系出身者の方が多いです。一方、商品開発になると理系しかできない分野もありますので、理系出身者がぐんと増えてきます。実際、商品企画やマーケティング職は文系が有利なのかを考察します。
文系職種と言われている商品企画とマーケティング
商品企画やマーケティングは一般的に「文系職種」と言われています。市場調査を行い商品を企画する仕事であり、メーカーの花形職種とも言われています。
この商品企画ですが、圧倒的に文系が多い職種になります。商品企画やマーケティングに文系が多い理由としては、営業出身者がほとんどであるという理由です。
新卒総合職で入社すると、ほとんどの人が1年~2年の間は営業に配属されます。それには次のような理由があります。
- 直接お客さんとのコミュニケーションをさせる
- 商売の基本である営業~流通を体験させる
- 名刺交換や接客マナーなどビジネスの基本を身に着けさせる
- 市場をその場で体感させる
このように、ビジネスの基本が営業だからです。
商品企画やマーケティングは、営業を経験した後に配属される部署であることから、自動的に営業出身者がほとんどになるわけです。営業職を経ることで、その企業の事業ドメインである商品や市場の感を身に着けることが、まずは優先されているのです。
ここまで読んだ方ならお判りだと思いますが、文系は営業の職種スタートがほとんど。なので、商品企画とマーケティングも文系出身者ばかりになるんですね。
理系は技術職が多い
一方、理系の就職はどうでしょうか。総合職だと営業に配属されますが、例えば車の会社などに入社したとしたら、そのまま開発などに配属されることが多いです。
いわゆる技術職で入社する人も多いため、そのまま技術職でキャリアアップに臨む人が理系には多いような気がします。このように、技術職のキャリアプランは技術を磨きエンジニアになりプロダクトマネージャーのような仕事を覚えていきます。
もちろん、理系の人が営業職を経験した後に、商品企画やマーケティングに配属されることは珍しいことではありません。
このように、理系は技術職スタートなので必然的に商品企画やマーケティング職が少なくなっているのです。
商品企画と商品開発は違う
商品企画と商品開発の二つの仕事ですが、意外と混同されている方もいらっしゃいますので、もう一度おさらいをしておきます。
商品企画は市場調査や顧客ニーズの発掘、商品コンセプトの立案など、主にどのような商品を作るかを考える仕事です。
商品開発は商品企画が考えた商品コンセプトを元に、具体的な商品を作り上げる仕事です。素材や見た目、スペックなど最終お客さんに届けるための形作りをする仕事です。
例えば、薬品会社の商品開発はほぼ理系の独壇場です。というのも、化学の知識が必須であり、文系の専門ではないからです。車のエンジンを作るだとか、ロボットを作るなんかの商品開発も同様、理系でないと厳しいと言えるでしょう。
逆に文系の人は商品開発の仕事には業界によって就きたくても就けない場合があるということです。その点は理系の方が有利ですよね。
理系は商品企画やマーケティングの仕事に就ける?
もちろん就けます。ただし、営業はどこかで経験された方が良いかと思います。技術職一本で商品開発からそのまま商品企画にステップアップもできるとは思いますが、市場動向や顧客ニーズなどの勘は営業で培うものですので、やはり営業の経験はあった方がよいでしょう。
つまり、理系が商品企画やマーケティングの仕事に就くルートは次の通りです。
- 技術職→営業職→商品企画→マーケティング
- 営業職→商品企画→マーケティング
技術職を挟むか挟まないかなのですが、自分が行きたい会社に入社する選択肢が2倍になると考えるとめちゃくちゃ理系は得ですよね。
反面、文系は営業職からしかスタートできません。
商品企画やマーケティングの業務は理系の知識が活かせる
商品企画やマーケティングを本気でやろうと思えば、理系の知識は必須です。例えばこんな感じです。
- 統計学(記述統計)
- 確立
- 微分積分
- ロジスティック回帰
- クラスター分析
文系の人にはちょっと難しいものばかりです。この点、理系は基礎ができているのでかなりのアドバンテージがあると言えます。
実際、マーケティングの難しい本なんか読むと、統計オンパレードです。
ちなみに僕は文系です。大人になって勉強しています。正直、若いうちにやっときゃよかったと今でも後悔しています。笑
結局、文系/理系どちらが有利?
結局どちらが有利とかは甲乙つけがたいですが、一般的な常識から言うと、
- 文系は総合職
- 理系は技術職
このようになります。
こう考えると、商品企画やマーケティング職への近道は文系でしょう。
理系は将来的に役立つ知識の基礎がいっぱい詰まっています。商品企画やマーケティング職になった時に、後で楽ができるのが理系と言えるのかもしれません。
しかし、商品企画やマーケティング職はコミュニケーション力や企画力、発想力といった力が最も重要になってきますので、この辺りは文理平等なのかなと思います。
理系でも面白いやつは面白いし、文系でも何いってるか分からないやついるしで、これはもう人間力としか言いようがありません。
つまり、営業職としてスタートするなら文系/理系の有利さは互角と言えます。
理系で素早く商品企画をやりたい人は、技術職ではなく営業職にエントリーしましょう。
まとめ
文系/理系で商品企画の仕事に就きやすさを考えて見ましたが、どちらでもなんとかなりそうな気もします。しかし、世の中の商品企画やマーケティングは圧倒的に文系です。そんな文系の城に理系が入ると重宝されることは間違いありません。
他にも商品企画の記事を書いておりますので、そちらも参考にしてください。
僕は文系ですが、理系の人うらやましいなぁと思っています。