電通ハニカムモデルのフレームワークをジョージアを例題に徹底解説

マーケティング

電通ハニカムモデルをご存知でしょうか。詳しくはこちらをご参照くだされば分かると思いますが、実務でこのフレームワークを使う機会があり、意外と使いやすいなと感じたのでここで紹介します。本家のサイトは詳しすぎて少し敷居が高いと感じたので、もう少し噛み砕いて解説していきます。

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電通ハニカムモデルとは

電通ハニカムモデルとは、ブランドの構成要素をハニカム(蜂の巣)に例えてフレームワーク化したものです。たしかに見た目はかっこいいです。

ブランド戦略と言えば、マーケティング3.0の3iモデルが有名ですが、3iモデルの方が抽象的です。こちらのハニカムモデルの方が、現場の意識に近い要素を組み立てることができ、例えばデザインであったり、顧客のコミュニケーションといった戦略を立てるのにビジュアル化できると思います。

簡単にですが、それぞれの項目を見ていきましょう。

Symbol(ロゴやブランドカラーなど五感に残るアイコン)

これは簡単ですよね。そのままシンボルという意味。つまりはロゴやカラーです。同じくジョージアと聞くと「山」のイメージが強いのではないでしょうか。色は基本的には「青」こういったブランドを連想させるロゴやカラーの事をシンボルと言います。ビジュアルの象徴として定義していきます。

Base of Authority(そのブランドの信頼の証)

ベースオブオーソリティの意味は権限の根拠と訳せるように、ブランドが信頼されるために何をするかであったり、どんな技術があるかといったエビデンスベースの根拠が定義されることになります。ジョージアの例で言うと「缶を開けてすぐに実感できる充実感」がそれに当たります。

Emotional Benefit(ブランドが提供する情緒的・感覚的利益)

エモーショナルベネフィットとは情緒的・感覚的な価値を言います。ジョージアでいうと「頑張る汗を賛美し、一人ひとりを見つめ、側にいる」となります。これは缶コーヒーというよりかは、CMかなんかのクリエイティブで表現していますよね。世界は誰かの仕事でできているなんてクリエイティブは、ジョージアが一人ひとりを見つめていると定義したからできたものになります。

Functional Benefit(ブランドが提供する実用的・機能的利益)

ファンクショナルベネフィットとは機能的や実用的なものです。例えば「ミルクたっぷり」「程よい甘さ」「開けた時の香り」なんかがそれに当たります。これは直接的にユーザーが感じる所であり、製品スペック上の期待値となります。ジョージアで言うと「厳選された希少な最高級の豆」が機能的価値ではないでしょうか。

Personality (ブランド全体の人的性格)

パーソナリティについては、そのブランドが人であったらどんな性格としているのかを考える部分です。商品に人格を与え「優しい」であったり「気難しいけど一貫性がある」などの性格を与えることは良く行います。ジョージアの場合は「頑張っている人に寄り添って声をかけてくれるマネージャー的な人」が個性かなと勝手に思っています。これはメーカーが公開していないのであくまで想像です。

Ideal Customer Image (企業が想定しているターゲット)

アイデアカスタマーイメージは誰に使ってほしいか、どんな人が一番心に響くのか、ファンになって欲しい人を定義する大事な部分です。これがぶれると正直、他のものも変わってしまいます。ジョージアの場合は「働く男性」がメインターゲットになります。これが「女子高生」だったとしましょう。世界は誰かの仕事でできているなんてクリエイティブもできませんし、あの缶コーヒーのイメージも全く違ったものになったに違いありません。

Core Value(象徴的なブランド経験)

最後はハニカムモデルの中心にあるのがコアバリューです。捉え方として、周りの6要素を全て総合したものでがユーザーが抱くブランドのポジションです。つまり、ブランドのイメージはこの6要素で成り立っていることを表しており、例えばジョージアのコアバリューは「働く人を応援すること」です。このようなメッセージを先の6つの要素で表現したものがコアバリューであり、ユーザーに受け入れてもらう価値になります。

このように解説をするとそれなりに分かるのですが、実際に躓く人が続出しました。その原因を考えていきます。

電通ハニカムモデルに躓く理由

ハニカムモデルは図としてはかっこいいですが、その見た目のため難しく考えてしまいます。それにハニカムって何?といった人が多いのも事実です。

そもそもハニカムの理由が分からない

ハニカムとは蜂の巣の意味で、アルミ板などをハニカム構造で作るとつぶれにくくできたりするのは余談ですが、すべてが有機的につながっているものの象徴でもあります。つまりは、それぞれが相関関係にあることを表したいと思った為、ハニカムモデルになったんじゃないかなと思います。

文字が英語すぎる

これもカッコよさを重視するあまり「Base of Authority」なんて書き方をしたのだと思いますが、そもそも英語だと理解するのに時間がかかります。普通に信頼性を担保するための能力や活動と言ってくれた方が何倍も理解が早まります。

メッセージ層1:This is ~

なんて言われても「これは」ぐらいしか分かりません。

もう少し日本語の図を増やしてほしいなと思った次第です。

どの順番で考えたらいいか分からない

順番でというと正直順番は無く、どこから考えても良いと思うのですが、手順が好きな人にとっては躓く原因になってしまいます。横文字が多いのに加え、ハニカムモデルの図を見せられるので、どこから手を付けていいのかが理解できない人が多いイメージでした。

これらの躓いた理由をふまえ、ハニカムモデルを使うときの考え方をもう少し簡単にできないかと考えたのがハニカムモデルの質問フレームです。

電通ハニカムモデルを質問形式で作る

ハニカムモデルの考えにくさの一つに順番があります。その順番を決めてしまいましょう。メッセージ層1、メッセージ層2~なんて書いてるので、上から決めなきゃいけなく見えてしまいますが、実は下から考えた方がハニカムモデルは埋めやすいのです。

順番は次のように考えましょう。

  1. Personality(パーソナリティ)
  2. Ideal Costomer Image(アイデアカスタマーイメージ)
  3. Emotional Benefit(エモーショナルベネフィット)
  4. Functional Benefit(ファンクショナルベネフィット)
  5. Base of Authority(ベースオブオーソリティ)
  6. Core Value(コアバリュー)
  7. Symbol(シンボル)

これをもう少し噛み砕いて日本語で質問シートを作ってみます。

  1. あなたはどんな人ですか?
  2. 誰に対してメッセージを伝えたいですか?
  3. メッセージを伝えどんな気持ちになって欲しいですか?
  4. その気持ちを実現するために何かできることはありますか?
  5. 今までで何か褒められたことはありますか?または何かしようとしていますか?
  6. あなたはどんなメッセージを伝えたいですか?
  7. 最後にあなたを特徴付ける服装とか趣味とかありますか?

こう見てみると何か書けそうな気がしてきます。

先ほどのジョージアの例で実際に書いてみましょう。

  1. 私はジョージアです。
  2. 働く男の人です。
  3. 働く人にもっと元気になって欲しいと考えています。
  4. 高級豆を沢山持っているのでそれを使うことが出来ればと思います。
  5. 働いた後に私を飲むと充実感を味わえると言われています。
  6. 働く人を応援することが私の生きがいですので気軽に相談してください。
  7. 私は青色の服をよく着ています。そして山登りが大好きです。

なんかジョージアさんの性格とか何がしたいかが一発で分かりますよね!

ストーリーはこんな感じ。

山登りが大好きなジョージアさんは高級豆を山で採る仕事をしています。優しいジョージアさんは、いつも何か社会貢献ができないか考えています。まずは仲間を幸せにしたいと思ったジョージアさんは、みんなにコーヒーを入れるようになりました。そんな時、仕事仲間から言われました。「ジョージアさんの入れるコーヒーは仕事の充実感を味わえるから好きなんだ」。ジョージアさん思いました。自分のコーヒーはもっと人々を幸せにできるのではないかと。

もうジョージアさん大好き!!これでハニカムモデルの完成です。

ジョージアブランドが完成した瞬間です。

これをフレームにしたのがハニカムモデルなのです。

電通ハニカムモデルのメッセージ層を考える

もう一つ、分かりにくくしているのがメッセージ層でしょう。1~4までありますが、これはユーザーが認識する順番を表しています。

メッセージ層1:This is ~

これは何かをユーザーが認識する第一段階のことです。ユーザーは商品を認識する際、見た目から入ります。それはロゴであったり色であったりと、デザイン的な要素がかなり強くなるのはご承知の通りです。

「Symbol」と「Base of Authority」つまり「デザイン」と「露出」です。

ここがユーザーにとって最初に目に触れ、しかもブランドの差異を認識する部分になります。だから、This is なんですね。私はジョージアです。この部分が「メッセージ層1」になります。

メッセージ層2:You can get ~

ユーザーが何を手に入れるかの層です。情緒的価値および機能的価値の部分です。これはどこのプロダクトでも考えることですのであまり迷わないのではないでしょうか。

ジョージアは「高級豆」と「頑張る汗を賛美される」を手に入れる事ができるわけです。

メッセージ層3:I am ~

ブランド全体の人格を表現する部分です。デザインとはまた違った個性になります。デザインはどうしても見た目といった外観部分の表現になりますが、「I am ~」については、性格的な個性を主張します。見た目がダサいけど話してみるといい人だったみたいな部分です。結局、人って性格が良くないと付き合えませんよね。この性格を表す部分が「I am」なのです。

メッセージ層4:You are ~

どんな人に幸せになって欲しいのか、ジョージアは誰と一緒に歩んでいきたいのかを明確にする部分です。ジョージアは「働く男の人」をターゲットにしています。働く男の人と一緒になってジョージアブランドを作りあげ、愛着を持ってもらいたい人になります。

電通ハニカムモデルまとめ

見た目がかっこいいフレームワーク「ハニカムモデル」を使いこなすことができるようになったでしょうか。

少し概念的な要素が沢山あり、英語ということもあってとっつきにくいのは間違いありません。また、日本ローカルなフレームワークなため解説しているサイトも少ないのも難しくしている要因ではないでしょうか。

使ってみると使いやすく、ブランディングには非常に役に立つ考え方だと思いますので、ぜひ使いこなせるようになりたいですね!