マクロ環境分析のフレームワーク「PEST分析」はよく聞く有名なフレームワークだとは思いますが、概念的なものは理解できるけど、実際にどう使えばいいのか分からないことが多いと多います。マーケティングの調査段階で使う場合が多く、かなり使えるフレームワークです。詳しい概念的なものは他のサイトに任せるとして、ここでは使い方と実例を紹介したいと思います。ぱっと読んで落とし込むだけでPESTを使いこなせるようになります。
マクロ環境分析「PEST分析」の実例
念の為、PESTのおさらいをします。
- Politics(政治・法律的環境要因)・・・法律の改正、税制、助成金の有無など
- Economy(経済的環境要因)・・・景気動向、為替、株価、雇用情勢など
- Society(社会的環境要因)・・・人口動態、文化、世論、治安など
- Technology:技術的背景 ・・・ 新技術、代替技術、IT、AIなど
このように書かれてもパッと理解しにくいのがPEST分析です。それでは、具体的にどんな問題が上げられるのか見ていきましょう。
例題1:ネット就活サービスの提供
政治(Politics) | 経済(Economics) |
・就活ルールの撤廃 | ・地方と都市部での就活格差 |
社会(Society) | 技術(Technology) |
・学生人口の減少 | ・SNS技術の躍進 |
例題2:若年層のプログラミングクラウド教室
政治(Politics) | 経済(Economics) |
・プログラミング授業の必須化 | ・シェアリングエコノミーの台頭 |
社会(Society) | 技術(Technology) |
・教育関連ビジネスの競争激化 ・少子化による一人当たりの教育費は増大 | ・ICT技術による動画配信システムが簡単に ・携帯電話の普及 |
上記の例題のように、マクロ環境を政治、経済、社会、技術の観点から見つめてみると、何かしらサービスができそうな気がしてきます。
例題1ではネット就活サービス、例題2では若年層のプログラミングクラウド教室ができそうだと導きましたが、それ以外のビジネスであったりサービスを考えることもできます。
例えば、例題1のPEST分析では、就活ルール撤廃により通年採用が当たり前になる可能性があることから、SNSを活用した地方学生へのアピールをサービスとして提供できるかもしれません。
このように、PEST分析はマクロ環境分析としては比較的安易に使えるのが特徴です。
マクロ環境分析「PEST分析」はどんな時に使うのか
マーケティングの調査段階および仮説のフェーズで使います。
マーケティング調査段階においては、市場動向の変化を見える化するために利用します。市場の変化によって自社がどのようなポジションになるか、どんな影響があるのかを分析するのがこのPEST分析が存在する意味です。
仮説フェーズにおいても、PEST分析で出た結果を元に、商品・サービスを考えたりします。例えば、自社はSNSのインフラが整っていることが強みであれば、例題1のようなSNS就活のサービスを提供できる可能性があると判断できます。
このように、PEST分析は自社の戦略を正当化するために使いやすい分析方法ですので、一度、自社や自分のPEST分析をしてみて下さい。
マクロ環境分析「PEST分析」の具体的な活用シーン
具体的な活用シーンとしては、次の通り。
- 企業戦略について書かれた企画書の中で活用
- 商品企画の際に商品の正当性を主張するときに活用
- 自社や他社分析を行う調査書で活用
このような場面だと説得力のある企画書にできますので、アウトプットしてみてくださいね!