就職・転職活動の面接でブラック企業を見極める10の逆質問と質問意図

仕事

就職・転職活動の時に必ず聞かれる最後の質問。 「それでは、何か○○さんから聞きたいことはありますか」 この最後の10分で、ホワイト企業・ブラック企業を見極める方法があります。 それは「逆質問」です。 逆質問というと、最後のアピールの場として転職サイトなどで紹介されていますが、 意図をもって質問をすることにより、ブラック・ホワイトを見極める質問にもなります。 それでは、それぞれ質問の意図と見極めポイントを分析してみましょう。

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求人情報を拝見させていただいておりますが、情報だけでは説明できない部分がありましたら、改めて、ご担当の方から今回の求人についての詳細を教えてください

質問の意図:この求人はまっとうな理由を背景にした求人か、また十分な期間を設けて募集しているのか

求人広告は得てしていい事ばかり書いているのは当たり前です。 そして、仕事の概要だったり、職種だったりは分かりますが、どのような経緯で求人に至ったかは分からない事が多いです。 実は求人って、この経緯が大切です。それぞれのパターンを分析してみたいと思います。

パターン1:退社、異動、産休による前任の退任

この理由の場合は、前任者は何時までいるのか必ず確認してください。 だいたい3ヶ月後以上先であることを目安にしていると良いと思います。 これがあまりにも短いとほぼブラックです。異動や産休などは前もってわかっているものです。 それにも関わらず3ヶ月を切って求人していることから、計画性の無さが伺えます。

計画性のある会社は、かなり前から求人計画を立てているもの。 これが無いということは、人事部もしくはそれ相応の部署が機能していない可能性が高いです。 退社が理由として挙げられた場合、責任感のあるあなたなら、突然会社を辞めたりしないはず。 要は前任の方はできるだけ早く退職したかったという意図が見えます。 ホワイト企業では、社員が仕方なしに辞める場合であろうと、引き継ぎには十分な期間を設けているものです。

  • 十分な期間が取れている求人であれば→ホワイト
  • 3ヶ月未満で、期間が十分とは言えない→ブラック

パターン2:規模の拡大

求人広告などで「事業拡大につき、人員募集」みたいな書き方を良く見かけると思います。例えば、事業拡大のためや新規事業のため経験者募集というものです。

これは要注意だと考えます。もし私が経営者なら、事業を拡大するためにそこに新人は入れません。 信頼できる部下、信頼できる人材で布陣を固めます。特に新規事業の部署で経験者募集というのは、使い捨て感が激しい。 というもの、元々が新規事業なわけでダメならポイされてお終いです。

  • 規模の拡大だが、自分の配属は既存の事業→ホワイト
  • 規模の拡大、新規事業の部署への配属→ブラック

私が配属する予定の部署の人数構成を教えてください

質問の意図:部署の人数、人員構成、管理職に穴がないか

自分が働くことになる部署の情報はできるだけ聞き出すようにしてください。可能なかぎり詳細を聞くことをお勧めします。 ここでのブラック判断基準としては、自分が配属されるポジションにもよると思いますが、組織に歯抜けが無いかを聞き出すようにしてください。

部長一人だけとか、課長だけとか、一般的な組織でなさそうであればブラックです。まともじゃない組織にまともな運営はできません。

  • 平均的に部署のバランスが整っている→ホワイト
  • 極端に少ない人員構成または組織的な歯抜け→ブラック

入社後は業務をするまでに、どのような研修や教育制度を経てから合流するのか教えてください

質問の意図:教育精度の有無とその運用はどうなっているのか

これ、結構無いところ多いです。特に中小の場合は、OJTで進めますとか、OFF-JTが無いところも多々あます。 教育は会社の鏡です。教育無き所に良い人材が育つわけがありません。

このため、上司もまともな教育を受けていない場合が多いため、上司それぞれで独自の指導法になります。 結果、部長はこういうけど、課長はこうだというチグハグな指揮系統になって混乱するばかりです。 教育制度を聞くことは、その会社でどれだけ成長できるかが分かるのです。

  • 研修期間もあり、OFF-JTも充実している→ホワイト
  • 教育制度がそもそも無い、OJTのみである→ブラック

同僚となる方で、私と同じ年代の方で活躍されている方はどのような人ですか。また全体的な年齢構成を教えてください

質問の意図:会社の全体的な平均年齢、および組織が機能しているか

働く現場の同僚は押さえておきたいですね。ここでポイントなのが、自分と同じ年代の人が、やたらと偉い役職が付いていたり、異常に年齢層が若かったりする場合です。 若い会社といえば活気があってというイメージがありますが、平均年齢30歳ですという会社は、総じてブラックが多い印象があります。

というのも、若い人が多い会社はベンチャー気質で、完全実力主義的なところが多くなりがち。 そのため、残業当たり前、ノルマ高めといった労働環境が目に見えているからです。 先ほども言いましたが、若い部長が居る組織はかなりの実力主義的なものなので、会社に魂を売る覚悟で臨まなければなりません。

  • 年齢構成が平均的にばらけている→ホワイト
  • 全体的に社員が若い→ブラック

転勤や異動など、ジョブローテーションは行っているのでしょうか

質問の意図:組織を円滑にするためにジョブローテーション等が合意の元行われているか

非常に困る突然の異動。こういった異動や転勤は合意の元行われているのであれば問題ありませんが、急に来月からとか言われると困りますよね。 特に辞令は会社の権利としてあるものですので、なかなか断りにくいのも事実。 でも、しっかりとした会社なら転勤とか異動は、面談の後、社員の声を反映した形で行われています。

これは、モチベーションの問題でもあり、気持ちよく送り出した方が、双方にとってメリットが大きいからです。 そんな中でジョブローテーションというのは、モチベーションを保ちつつそれぞれが別の部署の仕事を理解するためによく用いられます。 このジョブローテーションの枠組みの中で異動・転勤を行うのであれば、組織としてかなり優秀なのではないでしょうか。

  • 定期的にジョブローテーションを行っている→ホワイト
  • そもそもジョブローテーションが無い→ブラック

人事考課等の評価基準があれば、どのようなものか差支えない範囲で教えてください

質問の意図:人事評価はまともな評価基準で評価されているのか

働くうえで人事考課の評価基準は大切なもの。その会社の特性、どのように判断しているかがここでわかります。 一般的には、自己評価、上司評価、会社評価の三面評価で行うことが多いようですが、オーナー企業だったりすると、オーナーの一存で決まるのもしばしば。

可能であれば、どのようなツールを使って判断しているか聞くとよいでしょう。 あまり突っ込みすぎると評価ばかり気にしていると思われるので、ここは、時期とツールぐらいにとどめておいた方が良いかもしれません。

  • 三者の目が入る評価基準・ツールで評価している→ホワイト
  • ツールそのものが無い。内容が薄い評価基準。オーナーの独断→ブラック

私のような中途採用の社員でご活躍されている方はどのぐらいいるのでしょうか

質問の意図:中途採用している人が活躍している部署はどこか、中途採用の勤務年数はどのぐらいか

新卒が多い場合、中途採用はかなりアウェイ感を感じますが、しっかりとした会社は中途でも問題なく働けます。 中途が多い場合(中小企業に多い)は、どの部署が中途が多いか聞いてみてください。

営業は仕方ないにしても、管理系に中途が多い場合は要チェックです。 労務、人事など直接営業と関係のない部署の中途率の高さは、その会社の危うさを表しています。

  • 新卒が多く、中途採用も活躍が期待できる→ホワイト
  • 直接売上と関わりの無い部署の中途率が高い→ブラック

御社の経営理念にを拝見させていただきましたが、この理念はいつから掲げているのでしょうか

質問の意図:会社の理念を的確に説明ができるのか

このチェックポイントはずばり、理念が抽象的すぎないかです。 掲げている文面については、あくまで理念ですので、抽象的な物が多いですが、 社員がこれをどれだけ具体的に説明できるかがブラックとホワイトの境目です。

ブラック企業の場合は、抽象的で壮大なものが多く、また、具体性が無いため社員も説明できません。 逆にホワイト企業の場合は、抽象的でも、社員からは具体的な取り組みがでてきたりするもの。 特に抽象的な理念を掲げている企業については、しっかりとチェックするようにしてください。

  • 社員が理念を具体的に説明できる→ホワイト
  • 具体性が無く、さらに理念すら覚えていない→ブラック

御社は今後どのような戦略を考えておりますでしょうか

質問の意図:会社の将来の方向性は具体的に何か

将来の方向性を聞くということは、そこの会社に事業計画があるのかどうかを聞くことです。 事業計画の無い会社というのは無計画であり、将来の方向性が定まっていないため、どうなるか分からないという状態です。

事業計画は、人事計画にも紐付くものですから、あなたのキャリアにとって重大な要素となります。 無計画の会社は無計画に人事を行います。これって、キャリアパスにとってはデメリットですよね。

  • 事業計画があり、3年後、5年後の具体的なビジョンがある→ホワイト
  • 将来は、売上を倍にしてなど、売上や規模の話ばかりする→ブラック

社員同士の職場以外での交流は盛んに行われているのでしょうか

質問の意図:飲み会、クラブ活動などの頻度や会社補助があるのか

ポイントは夜の活動。ブラックの会社はやたら飲み会が多いです。仕事が多少ハードでもお酒を飲ませれば何とかなると思っている節があります。 この飲み会、好きな人は好きなんでしょうが、ブラックでは無理やり付き合わされる可能性があります。飲み会は福利厚生だと思っている会社もあるぐらいです。

クラブ活動などの福利厚生部分に力を入れている企業はホワイトの可能性が高いです。 社員同士のコミュニケーションを図るための施作は、企業の特色が表れるものですので、優先度は低いですが聞けたら聞いてみましょう。

  • クラブ活動や、補助金制度など福利厚生面で充実している→ホワイト
  • 飲み会がやたら多く、お酒は好きですか。などのお酒の話をしてくる→ブラック

オフィスを見せていただくことは可能でしょうか

質問の意図:社員の雰囲気やオフィス環境は劣悪ではないか

オフィスを見れる可能性があるのであれば、積極的に見せてもらうようにしましょう。 オフィスというのは、働く人の気持ちが一番反映されている場面です。

そこで、社員の雰囲気が暗かったり、デスクが汚かったり、ほとんど人がいない場合はブラックの可能性が高いです。 面接官だけじゃない、普段の仕事をしている社員を見ることは様々な情報を仕入れるチャンスですので百聞は一見にしかずです。

  • 社員が生き生き働いており、オフィスが綺麗→ホワイト
  • 会社にいる社員が少ない。雰囲気が暗い。オフィスが暗い→ブラック

ブラックな会社を見極める10の逆質問(まとめ)

  1. ごく自然な求人理由か
  2. 配属される部署の人員構成はまともか
  3. 教育制度は整っているのか
  4. 平均年齢の偏りが無いか、組織として不完全じゃないのか
  5. ジョブローテーションなどの組織横断的な取り組みが行われているか
  6. 人事評価基準が整備されているのか
  7. 中途採用が長く勤めている部署はどの部署か、年数は短くないか
  8. 企業理念を的確に伝えることができるのか
  9. 事業計画に則ったプランを立てているのか
  10. 飲み会は多くないのか。福利厚生は充実しているか
  11. おまけ:オフィスは綺麗なのか。社員は生き生きしているのか

良い転職・就職を目指したいものです。逆から見れば、ホワイト企業と見せかけることもできるってことですかね。時間が限られている中、すべての質問をすることはできないかもしれませんが、最低でも半分は質問しましょう。3つぐらい当てはまる企業は要注意です。

他にやばい会社を見極める記事も書いておりますので、ご参考にどうぞ。

 

転職活動はじっくり検討してくださいね。