今までの東京在住の年収600万以上の男性という切り口よりは、個人をより反映しているデータだと感じる。つまり、年収1,000万円以上の人でもカローラに乗っている人もいれば、年収300万円の人でもレクサスに乗っている人がいるのである。お金の使い方、生活様式というのは、年収や年代に関わらず、趣味嗜好が色濃く反映されるため、これからもサイコグラフィックに重点を置いたマーケティング活動は必要となってくるだろう。
サイコグラフィクを活用する際に、注意する点としては、サイコグラフィックのみのデータでは、活用が難しいという点である。それは、人の感情に基づいたデータのため、客観性がなく主観的なものだからである。
例えば、”不安を感じている”というサイコグラフィックデータがあったとして、その不安はどの程度なのか、客観的に図るのは非常に難しく、漠然としかわからない。その不安を取り除くことがビジネスになるのか、はたまた、そこまでの不安じゃないのか判断が難しい所である。
とはいえ、行動に移すときの動機は、すべてサイコグラフィック=心理的要因である。自分が30歳になったんだから、結婚相手を見つけないとなと思うのは、30歳がキーに見えるが「30歳になって、周りが結婚し始めた、自分もしないと将来が心配」という、サイコグラフィック的な考えに基づくものである。
このデータを分析したものをサイコグラフィックデータと呼ぶ。”日本において将来に不安があると感じている人は○○人”などのデータがそれである。このサイコグラフィックデータを上手に活用できることが、マーケティング成功への第一歩である。