黒字倒産とかよく聞くけど、何故黒字なのに倒産するのか。 利益はしっかりと出ているのに、何故か会社の管理部は月末にばたばたしている。 そんな光景、目にしたことありませんか? 倒産してからじゃ遅い!黒字倒産の仕組みをできるだけわかりやすく説明します。
商品を仕入れるにはお金が必要
商品を仕入れるときって、当たり前ですがお金が必要ですよね。
私たちが小売で物を買うときは、普通に現金を払っておしまいなのですが、企業間の取引で即金のところはほぼありません。 というのも、信用で売り買いをするところがほとんどだからです。
一般的にいうと、つけ払いです。
来月末にまとめて支払うから、これとこれをちょーだいって感じです。
支払サイクルは企業によって様々ですが、末締め翌月末払いなんてところは多いですね。 あと、5日、10日なんて締日もあります。
商品を仕入れるときに、つけ払いにしたお金のことを、買掛金といいます。
買掛金は負債になります。ようは、将来的に支払わなければいけないお金のことです。
この買掛金がたまりにたまると…カードローン地獄のようなことが待っています。 というのは冗談で、まとめて月末などに支払するため、それなりのお金が必要になってくるのです。
つまり、商品を仕入れるときは、在庫という資産と買掛金という負債が発生するものだと覚えてください。
商品を売ってもすぐにはお金にならない
そして、これもそうなんですが、買掛金があるということは、当然、売掛金もあるということです。 売掛金とは、あなたが商品を販売し、回収する予定のお金のことを言います。
もちろん、これにも締め支払いがあります。月末までに販売した商品の代金を、翌月末に回収ね!って感じです。 この場合、最大で約60日間、あなたはお金が手に入らないのはお分かりでしょうか。
4月1日に販売したものを、4月30日に締め、翌月の5月31日にお金をもらうというのが、企業間取引です。 商品を販売したにも関わらず、お金は回収できていません。
その間にも、色々なところでお金を使いますよね。社員の給料だったり、事務所の維持費だったりがありますが、今回はそのあたりには触れません。
とりあえず、売った場合でもすぐには回収できないとだけ理解いただければ大丈夫です。
買掛金と売掛金の支払回収サイクルは?
ここで問題になってくるのが、買掛金として支払うタイミングと、売掛金として回収できるタイミングです。
もし、買掛金の支払条件が、2ヶ月あったとします。同じく売掛金の回収条件も2ヶ月だったとしたらどうでしょう。
この場合は、バランスが取れているので、例えば、4月に買った商品の支払日は5月末。
逆に4月に売った商品の回収日も5月末だったとしたら、なんとか回りそうです。
具体的に言うと、4月に100万円分の商品を仕入れました。4月にその商品を130万円で売りました。
このような取引だと、5月末に130万円回収して、100万円の支払いですから、最終のキャッシュとしては30万円が手元に残るわけです。 商売としてはなんとかやっていけそうですね!
所が、このバランスがずれてしまうと、どうなると思いますか?
例えば、売掛金の回収が3ヶ月だったと想定すると、このようになります。
あなたは、4月に100万円分の商品を仕入れました。4月に130万円で売りました。ここまでは同じです。 次に、5月末に100万円を支払いました。回収は6月末の予定ですとなるとどうでしょう。
商売としては30万の儲けがでているのですが、実際に回収できるのは1ヶ月先です。
そう、その間、約30日間は、お金が無い状態なのです。
黒字倒産する理由は現金が無いから
ここに黒字倒産するカラクリがありそうです。
一応、帳簿上は売上は売れた月に計上します。この場合は、4月ですね。
もちろん、仕入原価も仕入れた月に計上します。
パッと見て、4月は30万円の黒字でした。めでたい!
でも、実際はお金が入っていないというのは、先ほどの説明で理解していると思います。
潤沢な資本金があったり、お金を持っていたりする場合は全然問題ないのですが、 個人事業主や、小さな会社にはそんな余裕はありません。
少し話は変わりますが、このため、運転資金として資本金がたくさんある方が良いとされる理由です。 ちなみに、この運転資金が無い場合、銀行から借りることをします。
短期借入金とか長期借入金とかですね。こうやって、運転資金を捻出しているのです。
お金が無いからと言って、待ってはくれないのが世の中。 約束した金は用意するのが筋ってもんじゃ!となります。
来月、必ず支払いますので待ってください…とは言えませんよね。 お金が払えなくなった会社は倒産します。
もし、手形とかで支払しているのであれば、その手形が不渡手形なんてなってしまたたら、一瞬で会社は終わります。 信用取引をしているのですから、仮に潰れなくても、もう取引はしてくれませんよね。
つまり、現金を潤沢にもっておかないと、会社は倒産するということです。
それでは、在庫につても次のページで触れていきたいと思います。