ペルソナと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。 ペルソナカードと思い浮かべる人。関西の人ですよね？ちなみに当サイトは関西人です。 ゲームでもありましたね、ペルソナシリーズ。 ちなみにマーケティング業界でのペルソナとは、仮想個人の事を言います。 このペルソナを適切に設定することで、ECサイトの集客をぐっと上げることができるんです。
ペルソナとは
ペルソナを設定する前に、もちろんペルソナとは何かを知らなければなりません。 ペルソナとは英語では、Personaと書きます。
辞書的な意味になってくると、登場人物や外的人格のことを言うようになりますが、 マーケティング業界でのペルソナとは、仮想的な個人のことを言います。 この仮想的な個人とはどういうことかと言うと、所謂ターゲットです。
ターゲットをペルソナ化することは、マーケティング的に非常に重要になってきます。 何故なら、個人を特定した方が、商品だったりサービスだったりのスペック・仕様を決めたり、 使い方を考えたりするときに、イメージがしやすくなるからです。
例えば、教材メーカーがあったとします。ターゲットは受験生。 この場合、ターゲットは受験生でというのでは、ばくっとしすぎてイメージができません。
東大への受験なのか、中学受験なのか、はたまた留学での受験なのかで、 教材が全く違ってくるからです。
何をするにも、イメージを持つことが大切なマーケティング業界。
仮説を立て検証していくプロセスを行うために、必ず「ペルソナ」の設定は行います。
この「お客さんは誰？」を明確にイメージしやすくするペルソナ。 では、どうやってペルソナを作り上げていけばよいのでしょうか。 今回は、教材メーカーのマーケティング部として考えてみたいと思います。
どこに住んでいるか
どこに住んでいるかはペルソナ作りにおいて、大事な要素です。 住んでいる地域というのは様々であり、その地域独特の特性があるからです。 東京と大阪でも違いますし、もう少し規模を狭めて、世田谷区と渋谷区でも違います。
例えば、世田谷区と渋谷区で比べてみましょう。 世田谷区の地域特性としては、どのようなものが考えられるでしょうか。 ぱっと思いつくのが、世田谷区は家族世帯が多く、渋谷区は単身世帯が多いことです。
あなたなら、先ほどの教材ビジネスを行う場合、どちらをターゲットの地域に設定するでしょうか。 私なら世田谷区を選択します。
というのが、世田谷区は家族世帯と言いました。受験生はほぼ子供です。 家族と住んでいる可能性の方が高く、教材の商材を買うのは実は子供ではなく親なのです。 そういう意味で、渋谷区で販促をかけるより、親にも訴求しやすい世田谷区の方が費用対効果は高いものとして考えられます。
もちろん、その他の地域でも地域差は必ずあります。 東京に住んでいる場合は、学校選びにさほど苦労しないでしょう。
しかし、田舎に住んでいる人は、かなり学校選びに苦労するはずです。 もしかしたら、大学で上京する可能性だってあります。その場合は、もちろん下宿代とか交通費とかも必要なわけなので、 教材への予算という面では、東京に住んでいる人よりぐっと押さえたものの方がよいかもしれません。
余談になりますが、どこに住んでいるかという地域的特性の事を「ジオグラフィック」と呼びます。
ジオグラフィックは国のデータベースや、各種レポートなどで比較的見つけやすいものですので、 ペルソナ設定をする際には、利用するようにしてください。
どんな家に住んでいるのか
地域が特定できたところで、こんどは、どんな家に住んでいるかを考えてみましょう。
例えば、マンションなのか一軒家なのか。持ち家なのか借家なのか。 これは、家の環境によって大きく特性が変わる可能性があるからです。
例えば、一軒家だったとしましょう。住まいも世田谷。たぶん、家から通うと思います。 それが、小さなアパートとかマンションだったらどうでしょう。 もしかしたら、下宿を考えるかもしれません。
ターゲットが住んでいる環境によって、集客の方向性が変わってきます。 普段生活している場所という重要なデータをイメージすることで、より具体性が増します。
また、持ち家や借家でも違います。 それは、引っ越しに対する敷居が高いか低いかです。
当たり前ですが、持ち家の人の方が、引っ越す確率は減ります。 逆に、借家だと更新に合わせて引っ越す方が多いようです。
ここでは、一軒家にしましょう。 世田谷の一軒家…どう考えてもお金持ちですね。
家族構成はどうなのか
家族構成についても、ペルソナを設定する際には考える大切な要素です。
父親がいて、母親がいて、もしかしたら、祖父母もいるかもしれません。 兄弟はいるのか。兄か妹かなど、様々な家族構成を考えていきます。
ここで設定するのは、どんなものでも良いです。サザエさん的な家族構成を設定しても問題ありません。 ただ、狙う市場にもよると思いますが、一般的な方がイメージしやすいのは間違いありません。 ここでは、父親、母親、兄、妹というごく普通な家庭をとりあえずイメージしておきましょう。
より具体的な方がもっと良いです。 例えば、年齢のデータを入れてみたりしましょう。 父（53）、母（48）、兄（22）、妹（18）なんかが普通ぽくていいかもしれません。 もちろん受験生は妹です。
年収はいくらなのか
年収というキーワードに敏感な人はたくさんいると思いますが、もちろん年収も大事です。 今回は、教材の販売なので、世帯年収としましょう。
ある程度信頼できるデータとして、文部科学省のデータが記事になっています。 年収の高い家庭ほど教育熱心であるというものです。
外部リンク：年収高いほど子は好成績 13年のテスト、文科省分析
このようなデータは至る所で見受けられますので、ばんばん活用していきましょう。 ただ、ネットなのでデマ情報も多く、出典元を確認するようにしてください。
話は戻りますが、このように、年収が高い世帯ほど教育熱心ということが伺えます。 今回は、年収が高い世帯ということなので、世帯年収1200万円以上を想定しましょう。
今通っている学校はどんなところか
受験生ですもん、学校は大切ですよね。 共学なのか女子校なのかでも、全然違ってくると思います。
また別方面として、進学校なのか普通の学校なのか。 専攻は何か。部活に入っているのかなど、その個人を特定していく内容を決めていきます。
ここでは、進学校の女子校に通っているとしましょう。部活はラクロス部。うーん、お嬢様ですね。
揃ったデータを統合する
さて、ここまでで集めてきた個人に付随するデータを統合していきましょう。
ただ、もう一つ重要な要素があります。それは、サイコグラフィックデータという心理的要因です。
サイコグラフィックについては、下記の記事にまとめておりますので、そちらにも目を通すことでより見識が高まると思います。
5分で解る！サイコグラフィックとデモグラフィックの違いと活用法
つまりは、サイコグラフィック（心理的要因）が行動を支配するということなので、 ジオグラフィック、デモグラフィック、そしてサイコグラフィックの3つがそろって初めてペルソナは完成します。
それぞれ統合すると、例えば、こんなペルソナになります。
そして忘れてはいけません。実際、教材を購入するのは親です。 特に母親が教育の権限を持っている家庭が多いので、ここでは母親のペルソナも作ります。
この、性格、悩みといったものが、サイコグラフィックになります。 数字では測れない定性的な心理的要因となります。
さて、だんだんとイメージできてきたのではないでしょうか。 今回は教材ですので、それ以外でも父親、兄というペルソナも追加し、家族で考えるのもいいと思います。
ここでようやく、ペルソナ作りが完成しました。
さて、これで集客する準備ができました！
集客のためのポイント
ペルソナから集客へとつなげる前に、簡単に集客のポイントを押さえておきましょう。 集客には、フックとオファーという段階があります。 それぞれの段階は、次のように考えます。
フック
フックはまず気づかせるということです。 気づかないともちろん、その商品までたどり着くことはできません。 このフックをどうしかけるかを考えていきます。
オファー
オファーの部分で、お客さんに欲しいと思わせる必要があります。 どこにゴールを置くかは様々ですが、今回は「集客」なのでECサイトに来てくれるというのをゴールとします。
ペルソナデータから集客につなげる
さて、集客の簡単な概念が分かった所で、実際にこのペルソナを使って集客するための施作を考えていきましょう。 単純に、集客をしよう。ターゲットは受験生と言うときより、具体的な施作が浮かんできたと思いませんか？
このようにペルソナデータを作ると、イメージを作りやすいのです。 それでは、どのような集客施作をしていくのか見ていきましょう。
フックフェイズ
フックフェイズ + ジオ＆デモグラフィックデータ
フックフェーズに置いて、限られた予算の中で、地域を限定することは、非常にプラスに動きます。 というのも、広く浅くやるより、この手の商材は地域に絞って出した方が効率が良いからです。
それに、学力を伸ばすというのは、基本ローカルで動いています。 学校しかり、学習塾然り、そもそも教育とは地域に根付いているものなので、地域を指定した方が良いでしょう。
例えば、検索キーワード一つとっても「学力 伸ばす」というキーワードより、 「学力 伸ばす 世田谷区」と地域データをいれて検索される方の方が、見込み客としては大きいと思います。
フックフェイズ + サイコグラフィックデータ
今回のキーワードは「伸び悩み」でしょうか。 伸び悩んでいる理由は、友人との部活を優先してあまり勉強の時間が取れないこと。 娘は部活も頑張りたいし、友人との遊びも優先したい。
親としては、同じ早稲田大学に行ってほしい、でも強く言えない。
こういった要因から、どうフックさせるかはコンテンツ作りのキモの部分です。 例えば、「毎日30分勉強するだけで平均点50%アップ」というのはどうでしょうか。
時間が無いけどたった30分で50点もアップするんだと思える内容になります。 親としても、一日30分だけなら、勉強しなさいと言いやすいと思います。
フックフェーズを合体
ペルソナデータから、フックフェーズのコンテンツタイトルが決まりました。
「世田谷区にお住いの学生○○%がたった30分の勉強だけで平均50点アップする教材」
これで完璧です。 少しくどいかもしれませんが、これを適切に見せることができればクリックしてくれる可能性が高まります。
オファーフェイズ
オファーフェイズでは一般的にランディングページに置くことが多いそうです。 ランディングページの見せ方として、先ほどのデータを使って考えていきましょう。
オファーフェイズ + ジオ＆デモグラフィックデータ
ランディングページには、でかでかと世田谷区限定などの世田谷特別感を入れてみてください。 他の地域ではなく、今回は世田谷区だけメリットがあるんですよと見せるわけです。
オファーフェイズ + サイコグラフィックデータ
さらにメリットとして、伸び悩み、友人というキーワードがでていました。 ここは、ランディングページに入れるしかありません。
5教科平均点が300点の人限定、プラス50点保証サービスというのはどうでしょう。 平均点が50点上がらなかったら、全額返金OKなど面白いですよね。
また、部活も勉強も両立したいあなたへ！みたいな文言もいいんじゃないでしょうか。 ここでは、心理的に伸び悩んでいることと、返品OKという心理的負担を無くすことでお客様のメリットを表現しています。
ペルソナは集客にとって必ず必要なもの
ここまで来ると、ほぼ集客という目的は果たせると思います。
要はペルソナを設定することで、より具体的なお客様象をつかむことがポイント。
このお客様象＝ペルソナを設定しないで販促活動を行う企業が多いため、失敗も後を絶たないのです。
仮に、これで失敗したとしても、世田谷じゃなかったな、杉並区の方がいいかもなど、 新しいマーケティング活動を行う上での、失敗事例がデータとして扱えるのがいいですよね。
ペルソナという個人象を作り、そこでお悩み解決の仮説を立て検証する。 この一連の流れを行うために、ペルソナは必要なものなのです。
そして、具体性が増せばますほど、ペルソナは生きてきます。
ちなみに、ペルソナを使い仮説を立てていくと、これは無理だわと事前に気付くこともあります。
お客さんは誰？その人はどんな人？を確実に検証していくために、ペルソナ作りは行うようにしてください。 もちろん、ECサイトだけじゃなく、その他の趣味ブログなどでも役に立つと思います。
それでは、良いペルソナを！（意味不明）
