ECサイトのコンテンツ化は、ECサイトの価値を上げるため、そして、売上アップのために必須です。 売上アップも元を正せばどれだけ集客するかです。 また、その集客したお客さんにどれだけのベネフィットを与えられるかにかかっています。 たしかにコンテンツ化とは聞くけど、WEBサイトをどういじればいいのか分からない。 そんなECサイトのコンテンツ化のテクニックを事例を交えながら解説します。
増えているコンテンツ型ECサイト
通販ビジネスは年々増加傾向になり、単純にECサイトを立ち上げただけでは見向きもされなくなってきました。
モールに出しても見向きもされない、独自ドメインでは、そもそもお客が来ない。 こんなECサイトオーナー様は少なくないんじゃないでしょうか。 特に集客に関しては、ECサイトが乱立している中、広告費など捻出できない中小企業・個人事業主にとっては難しいのが現状です。
このような背景から、近年、ECサイトでよく見かけるようになった形式が「コンテンツ型ECサイト」です。
商品ページだけじゃない、使い方だったり、その商品の世界観だったりを「コンテンツ化」することで、 サイト事態のコンテンツ力を高め、収穫に繋げようとしているサイトを「コンテンツ型ECサイト」と呼びます。
コンテンツってどんなのか分からない
例えば、キッチン用品を販売するお店があったとします。あなたなら何をコンテンツ化するでしょうか。 キッチン周りの商品を紹介するだけのページで終わってないでしょうか。
ちゃんと、使い方や事例、洗い方までアフターフォローをコンテンツ化しているでしょうか。
例えば、フライパンの洗い方を、あなたは説明できるでしょうか。 熱いままで洗った方が良いか、冷めてから洗った方が良いかなど、こんな単純な話だけでもコンテンツ化はできます。
そして、そんな簡単な事でも、必ず需要はあるのです。 ちなみに、私は昔調べたことがあります。洗い方で喧嘩にまでなったことがあるんです!
売手にとって、当たり前と思っていることでも、消費者にとっては知りたいことになる可能性は高い。 こんな情報をECサイトにたくさん散りばめることで、あなたのECサイトは必ず売上アップできるのです。
それでは、コンテンツ型ECサイトの事例をいくつか見ていきましょう。
事例1:栗原はるみ ゆとりの空間
まずは料理研究家の栗原はるみさんのECサイトです。
ゆとりの空間: 栗原はるみ・栗原心平 公式サイト | レシピ 通販
すごいコンテンツ量ですよね。まずはトップページの構成から見ていきましょう。
ゆとりの空間|トップページ
トップコンテンツはほぼ記事へのリンクとなっております。 そして、リンク先にあるタイトルとサブタイトルにも注目してみてください。 なんだか、クリックしたくなるタイトルではないでしょうか。 そうなんです。まるで記事のタイトルのようで続きが気になる書き方をしているのです。
今度は右カラムを見てみましょう。いきなり読み物のメニュー。 しかも「読みたい」というユーザー目線のタイトルを入れることで、ユーザーがしたい行動に対し的確に誘導できています。
そして、同じ右カラムの下に「買いたい」があります。 これは、リピーターや、購入する気でサイトを訪れている人に対して、買いたいという気持ちをそのまま表現したものです。
ECサイトを立ち上げたばかりの人は、きっと右カラムなどに「プロダクト」とか「商品カテゴリ」なんて入れたりしていると思います。
商品やプロダクトだと、まずその商品をほしい人しかクリックしてくれません。 その商品に興味が無くても、つい見たくなるような構成を考えないと、コンテンツ型ECとしては不適格です。
このように、トップに読み物としてのリンクを付けることで、回遊しやすくしているのです。 また、コンテンツ型にすることで、検索などでの流入が可能となります。
次に、記事の中を見てみましょう。
ゆとりの空間|記事ページ
記事コンテンツでは、商品の説明だけではなく、使用感や使ったイメージなどの記事が書かれていることがわかります。 ここでは使っているシーンをユーザーにイメージさせることが重要です。
読んでいるだけで、例えば家族にこうやって料理を出したら喜ぶだろうなとか、今度、恋人にやってあげたいと思えるような コンテンツ作りを心がけましょう。
文章だけではなく、写真も多用するとより効果的です。 商品だけの写真より、より生活感が溢れるシーンの方が、より強く連想することができるのでおすすめです。
そして、記事の下にはそこで利用した商品の一覧が表示されています。 これ、ついついクリックしちゃいませんか?
最後には同じようなカテゴリの読み物ページとリンクが続きます。内部リンクの設計もすばらしいものです。 関連商品とするのではなく関連記事とすることで、次ページへの移管についても、さらに敷居を低くしているのです。
その他、右カラムは同じなので説明は省略します。
このように、記事コンテンツと商品ページの融合が、コンテンツ型ECサイトの醍醐味です。 コンテンツがあるからこそ、商品をより印象付けることに成功しています。
栗原はるみさんは料理研究家ですから、コンテンツはもちろん料理のネタばかり。 かといってレシピだけではなく、盛り付けや食べ方、食の話など料理を中心としたサブコンテンツを用意しています。
事例2:北欧、暮らしの道具店
続いては、コンテンツ型では有名なサイト「北欧、暮らしの道具店」です。
ここは、トップページがすべて商品ページもしくは記事ページの構成です。
北欧、暮らしの道具店|トップページ
商品ページというか、ここでは「お買いもの」ページと称しています。 ユーザーが買い物をするという行為をそのまま言葉で表すことで、写真のシューズを買うという行為が明確化されています。
北欧、暮らしの道具店さんは、お買いものページも読み物ページもすべて同じ並列で扱っているところが面白いと思います。 なぜ、この並列表記でも違和感がないのかは、商品の詳細ページを見ることで分かります。
北欧、暮らしの道具店|商品詳細ページ
そう、北欧さんは商品ページ=記事なのです。 商品の仕様などは簡単に終わらせ、それ以降はすべて記事になっているのです。
商品説明を記事化することで、買い物ページなんだけど情報量が多く、使い方がイメージできるページへと変貌を遂げております。
ほぼすべての商品に記事として使い方・作り方など掲載されているため、読んでいるだけで日々の生活が楽しくなりそうな予感があります。
その他、SNSへの取り組みも積極的で、Facebook、Instagram、Twitter、Lineなどほぼすべてのメディアを利用した集客を行っております。 コンテンツ型ECのちょっとECよりといった位置づけであり、ホームページも非常に魅力的なものになっております。
北欧さんも、基本的には雑貨を中心としておりますが、それにまつわるアパレルなども紹介しています。 コンテンツ化をすることで、雑貨だけではなく、その周辺商品にもマッチさせることができた良い例ではないでしょうか。
その他のコンテンツ型ECサイトの紹介
メガネのレンズ選びや壊れたメガネの直し方など、メガネについての疑問を記事にしてくれているサイトです。 メガネの重要性や、お手入れの仕方などコンテンツに読みごたえがあり、専門性もあるため非常に面白いです。
こちらはサービス業です。直接カートに入れるなどはありませんが、英語のためになる話をブログで投稿することで、 英語の楽しさ、どんな英語が覚えられるかなど、ユーザーにイメージさせることに成功しています。
化粧品、理美容に関するハウツーや、健康に関するレシピなど健康美塾の名前の通りのサイトになっています。
就活生をターゲットとした眉メイクのコンテンツ。 メイクコンテンツなので、ビフォーアフターもわかりやすく、就活生の味方になっています。 ここまでコンテンツを作りこんでいると、資生堂のファンになりますよね!
このように、大手でも中小でも、ECサイトのコンテンツ化は進んでいます。 コンテンツを充実させることこそ、WEBサイトとしての価値を高めることといっても良いと思います。
事例から分かった事
このような事例より、コンテンツ型ECサイトでは、ユーザーに検索してもらうためのコンテンツであると同時に、 自社ECサイトが何を主張しているか、その世界観に触れるようなコンテンツを用意する必要があります。
それには、ただ単に商品を説明するだけではなく、利用しているシーンが連想できるものが良いでしょう。 そして、強くユーザーの頭に利用イメージを抱かせることが大切です。
ユーザービリティについても、ユーザーの目的が分かるものでなければなりません。 例えば「購入」ではなく「お買いもの」という単語を使う。
ショッピングに出かけたとして、あなたは購入に行くと表現するでしょうか。 ほとんどの方が「買いもの」に行ってくるという表現ではないでしょうか。
この一般的な用語を使うことで、ユーザーはより身近に感じることができるのです。 そして、お買いものしている楽しさを表現するために、コンテンツを充実させてください。
コンテンツ型ECサイトの売上をアップさせるためのチェックポイント
最後に、ECサイトでのコンテンツマーケティング化へのポイントをまとめております。 すべて一気にやろうとせず、小さなことからコツコツと進めていってください。
正直、コンテンツに関しては、大手よりも中小規模のサイトの方が運営しやすいと感じております。 ユーザーにとって楽しい、そして為になるコンテンツをハンドリングするには、意思決定が早い方が良いからです。
もちろん、個人でもコンテンツを充実させることはできると思いますので、 どんどんコンテンツを増やしていってください。 次のポイントを押さえたコンテンツ作りをすることで、必ずECサイトの売上アップは見込めます。
- 当たり前のことでも、できるだけコンテンツ化する
- 読みもの、買いものなど、ユーザーの”したい”がすぐ分かるメニューにする
- 商品の説明ではなく、商品が生み出す価値をコンテンツで表現する
- 商品名でのリンクよりも、記事名ぽいリンクをつける
- ユーザーの為になるコンテンツを作る
それでは、ECサイトのコンテンツマーケティング化に向けがんばりましょう!