スーパーファミコン世代の人。おまたせしました。ミニスーパーファミコンの登場です。もちろん、私もスーファミ世代。当時は圧倒的なグラフィックと音の良さ、もうこれ以上のゲーム機は無いと感動したものでした。 当然、そのあとにプレステが出たりセガサターンが出たりがありましたが、スーファミにしか出せない独特なレトロ感、絶妙なゲームバランスは今でもなお、記憶を鮮やかに飾ります。そんなスーファミですが、なんと21本ものソフト内蔵でミニとして発売。これはマーケティング的にもオイシイのです。
ノスタルジアマーケティングは懐かしい:(1)懐かしさ・ノスタルジーを感じる
これは、タイトルの通り。おっさんホイホイです。(笑)
このスーパーファミコンという名前でワクワクしてしまう30代~40代の世代は、実はもうほとんどゲームができません。
というのも、仕事でバリバリの年齢であると共に、結婚、育児など、職場においても家庭においても、それほど時間がある世代ではないのです。
もしかしたら、中学生~高校生ぐらいの子供がいて、子供はプレステ、DS、スマフォゲームの虜になっている状態ではないでしょうか。
そんな姿をおっさん達は横目で見ながら、最近のゲームはリアルすぎるし、複雑で分からないと心のどこかで思っているはずです。
そんなおっさん達の青春のゲーム機が、まさに「スーファミ」なのです。
この青春時代というのがまさに大事で、昔の音楽を聴いたりしたとき、懐かしく感じると共に、当時の同級生や遊んだこと、学校での出来事など、頭に浮かんできたことがあると思います。
一番輝いていた時代。
何をするにも面白く、何をするにも前向きになれた、元少年のおっさん達は、強烈なイメージがフラッシュバックします。
そう、おっさん達の思い出を「スーファミ」が取り戻してくれるのです。
このようなマーケティングを”ノスタルジアマーケティング”と言います。
ノスタルジー=懐かしさという感情は、ある特定のキーワードによって、当時と同じような感動を甦らせ、もう一度、あの感動を味わいたいと、心が欲求するのです。
もちろん、この欲求には中々抗えることはできません。気づけば予約、気づけば店舗を探し回り、気づけば毎日ネットショッピングの在庫復活を待つ毎日。まさにおっさんホイホイな状態ではないでしょうか。
ノスタルジアマーケティングのコスト:(2)コストが皆無
おそらく、ほぼコストはかかりません。というのも基本設計はできており、さらにソフトウェアは既存のものを使えるわけです。
まずは開発費、ハードウェアもソフトウェアも、設計、開発が一番時間がかかりますが、そこがまるままカットできます。
さらに、広告宣伝費を考えてみましょう。広告宣伝費というのは、お客様に商品を知っていただく活動ですから、もうすでに”知っている”ものは、そこまで説明する必要ないですよね。
特に市場に無い新しいものって、こういうものだよというアナウンスを沢山しないと認知してくれません。
その点、ミニスーファミは新しいものでありながら、すでに既知のものなのです。
つまり、販促費という意味では、そこまで大々的にしなくても、勝手に認知されていくのです。
ノスタルジアマーケティングはお得?:(3)抱き合わせのお得感
冒頭でも言いましたが、なんと付属ソフトは21本!
当時、スーファミのソフトウエアは一本8,800円ぐらいだったはず。
これが21本分ですから、実に184,800円。そこに本体も付属してくるので、実際は20万円相当の価値があると判断してしまいます。
それがなんと7,980円!激安じゃないですか。「今ならソフト1本分で、なんと21本分のソフトが!さらに本体も付属します!」というどこかのTVショッピングの声が聞こえてきそうです。
前項でも言いましたが、ソフトウェアは開発費がかかるだけであって、開発をしてしまえば、あとのコストはほぼゼロです。
当時はカセットと言われるいわゆるソフトウェアを焼きこんだハードウェアが必要でしたが、今の技術ではSDカードに全然余裕で入ってしまうので、そこから読み出しているとして、実際のコストは数百円。
もしかしたらもっと安いのかもしれませんが――。
お客様にとってはお得感を、メーカーにとってはまさにコスト面でお得なのです。
ノスタルジアマーケティングの拡散力:(4)ソーシャルネットワークでの拡散
今、ミニスーファミとかスーパーファミコンなんかでTwitter検索してみてください。すごい情報が溢れかえっていると思います。ノスタルジーマーケティングでは、この拡散が重要なキーワードとなってきます。
拡散するとき何が必要でしょうか。それはキーワードです。このキーワードって、新しいワードであればあるほど、定着するまで時間がかかるんですよね。
例えば「ダメマ」と言っても、誰もどんな意味か理解してくれません。
でも、同じような単語「ステマ」なら、概念をしっかりと理解しているし、言葉として通じますよね。
言葉がすでにあるのって、拡散するために重要な要素なのです。 皆が一語一句間違いなく同じワードを話せるのは、古い認知された商品だから可能なのことですよね。
つまり、拡散する経済コストはもちろんのこと、時間コストの負担も少なくてすむのです。
当時はなかったソーシャルでの拡散こそ、ミニスーファミが品薄な状態なのかもしれません。
ノスタルジアマーケティングは仲間が増える?:(5)仲間と共有できる!
最後に共有できること。ミニスーファミを手に入れたことで、おっさん達はどうするでしょう。
もしかしたら、当時の同級生と何かしらの連絡をとったり、Twitterでつぶやいたり、Facebookで過去の友達を探してみたり。
色々と当時を思い出すことで、行動することでしょう。
そして、そのアクティビティがさらにミニスーファミを宣伝することになり、品薄は続いていくのです。
さらにノスタルジーマーケティングで”懐かしさ”を共有させる。本当、最強の組み合わせですよね。
あとは、お父さんの時代のゲームだぞ。 なんて言って、家族と一緒に過ごすこともできるかもしれません。
「親父、こんなゲームやってたんだ。俺にもやらしてくれよ。」なんて言われた日には感無量じゃないでしょうか。
そんなコミュニケーションに一役買ってくれるミニスーファミ、一家に一台そろえておきたいですね!
ノスタルジアマーケティング5つの効果(まとめ)
- 1.ノスタルジーを感じることで当時を思い出させる
- 2.莫大な開発費、販促費がほとんどかからない
- 3.当時好きだったものがたくさんはいってユーザーにとってお得に感じる
- 4.発売前、発売後に関わらずワードがソーシャルで拡散しやすい
- 5.みんなで共有してさらに広がる!
こんなにWIN-WINな関係のマーケティングもなかなかありませんよね。 ただ一つ欠点として、当時の感情のままゲームをすると、意外とつまらないものです。
記憶に鮮やかに残しておいた方がいいものもあります。みなさまは積みゲーにならないよう、ご注意ください。
あ、ちなみにこんなソフトがついています。
ミニスーファミ付属ソフト(おまけ)
タイトル | 発売日 |
スーパーマリオワールド | 1990/11/21 |
F-ZERO | 1990/11/21 |
がんばれゴエモン ゆき姫救出絵巻 | 1991/7/19 |
ゼルダの伝説 神々のトライフォース | 1991/11/21 |
スーパーフォーメーションサッカー | 1991/12/13 |
魂斗羅スピリッツ | 1992/2/28 |
スーパーマリオカート | 1992/8/27 |
スターフォックス | 1993/2/21 |
聖剣伝説2 | 1993/8/6 |
ロックマン®X | 1993/12/17 |
ファイアーエムブレム 紋章の謎 | 1994/1/21 |
スーパーメトロイド | 1994/3/19 |
ファイナルファンタジーVI | 1994/4/2 |
スーパーストリートファイター®II | 1994/6/25 |
スーパードンキーコング | 1994/11/26 |
スーパーマリオ ヨッシーアイランド | 1995/8/5 |
パネルでポン | 1995/10/27 |
スーパーマリオRPG | 1996/3/9 |
星のカービィ スーパーデラックス | 1996/3/21 |
スターフォックス2 | 未発売 |
分かる範囲で説明書のリンクを張っております。
ソフトのタイトルをクリックすることで説明書に飛べます。説明書だけでも懐かしさを十分感じられるので、ゲームをする時間が無い方は、こちらでノスタルジーを感じてください。
がんばれゴエモンやりたいなぁ。