透明ドリンクは飲みますか? 水を買おうと思って、透明ドリンクがあるとついつい手を出してしまう管理人ですが、 この透明ドリンクはマーケティング的にどんなメリットがあるのかを考えてみました。 しかし、透明ドリンク多すぎですよね。
有色から透明へサントリーのヨーグリーナで透明ドリンクが大ブームに
透明ドリンクブームと言えば、やはりサントリーのヨーグリーナでしょう。
それまでも、「いろはす」などフレーバーが付いたものがありましたが、 ここまでヨーグルト感を残して完全に透明にしたのはインパクト大でした。
それに発売された当時、かなりの品薄になったことで有名ですよね。
ちなみに、この品薄感は作られた”ステマ”だったと噂されています。
俗にいう「品薄商法」ってやつです。
レモンジーナの時も、売れすぎて出荷停止騒動ありましたよね!
品薄が続くと、こぞってマスコミは報道します。
ようはタダでPRしてもらう戦略です。
ちなみに、レモンジーナ、ヨーグリーナ、両方ともにサントリーです。
やっぱ、ステマなんでしょうか?
このような事もあり、ヨーグリーナは「透明ドリンク」という新しいカテゴリーを作り上げました。
今ではかなりの種類の透明ドリンクが並んでますよね?
しかも、普通の清涼飲料水よりも若干安いんですよね。
では、この透明ドリンクのマーケティングメリットを紐解いていきたいと思います。
透明ドリンクのメリット1:透明は水をイメージさせ、体に良いものと思わせることができる
色つきの清涼飲料水は、どうしてもカロリーをイメージしがちです。
それに、清涼飲料水は色合いが体に悪そうなものばかりでした。
一方、水やお茶などといった天然系のドリンクのイメージは体に良いものであると認識されているのではないでしょうか。
また、透明であることにより、清涼感を表現することができています。
このように、透明であることにより、健康的で清涼感を表現することができているのです。
これは、マーケティング的に考えても、水の代替品として機能しているような気がします。
先ほども触れましたが、ちょうど水と清涼飲料水の間の価格設定をしています。
水を買うのであれば、少しフレーバーのついていて飲みやすい透明ドリンクを買ってしまいます。
また、実際のカロリーに関しても、清涼飲料水よりも低く抑えており、体には負担はかからないのかもしれません。
透明ドリンクのカロリーは100mlあたり20kcal程度とコカコーラ(45.9kcal)の約半分です。
しかし、透明になっただけで、イメージって変わるもんですよね。
透明ドリンクのメリット2:会議の場でも飲める
これは、大人の事情というか、なんとなく会議の時って、コカコーラとかミルクティーとか飲みにくくないですか?
そんなときは、透明ドリンクが大活躍。
実際、商品開発のコンセプトの中に、会議中でも飲めるというメリットが考えられていたかは分かりませんが、 飲みやすいのは確かでしょう。
最近は透明ミルクティーなんかもあるので、会議中にミルクティーが飲みたいときでも安心です。
そのうち、透明コーヒーなんていうのも出てくるのかもしれません。
調べてみたら、イギリスにはすでにあるんですね。透明コーヒー。
一回飲んでみたいなぁ。
これが以上に流行ると「褐色の恋人」なんて言えなくなりますね!
スジャータピンチ・・・。
しかし、会議などの何かしらの公的な場で、甘いものが飲みたいときには透明ドリンクが最適ですよね。
透明ドリンクのメリット3:老若男女問わず購入できる
清涼飲料水のイメージはどうしても若者になってしまいがちです。
それが、水を連想させる透明ドリンクを造ったことで、かなり年齢層の幅が広がったと感じます。
お年寄りに、ファンタオレンジをすすめるより、いろはすみかんの方がすすめやすいのはたしかです。
逆に、幼稚園だったり小学生だったりの小さなお子様に対しても、裾野は広がったのではないでしょうか。
小さな子供にコーラのイメージは、親としてあんまりよくないですが、 なぜかヨーグリーナだとそんな悪いイメージがしません。
つまり、透明にすることで、老若男女問わず消費が見込めるのです。
透明ドリンクのメリット4:容器コストが安い
結構、清涼飲料水って凝ったパッケージ多いですよね。
飲料として飲んでもらう前に、インパクトが無いと手にとってもらえませんから、パッケージデザインは死活問題なのです。
ところが、いろはすだったり天然水だったりのパッケージは、シンプルそのもの。
同じ容器を使い、ラベル対応しているものばかりです。
要は、水と同じラインで生産できるため、容器コストは安いんじゃないかと予想します。
それでは次に透明ドリンクのデメリットを見てみましょう。
透明ドリンクのデメリット1:実際に飲んでみると飲んだ気がしない
これ、実感としてありませんか?
透明ミルクティを飲んだとき、たしかにミルクティの味がして感動すら覚えたものですが、 なぜかミルクティを飲んだ気がしないのです。
後味がすっきりしすぎというか、甘味料が砂糖ぽくないというか、とりあえずミルクティではない別の何かな感じがしました。
そういう意味では、完全なるミルクティの代替品には成りえないと考えています。
やっぱりフレーバーはフレーバーなのかなというのが本心です。
カルピスでさえ、透明やつを飲むと飲んだ気がしないんですもん。
透明ドリンクのデメリット2:他社と差別化しにくい
各社が透明ドリンクを出しまくっている昨今、差別化は難しいのが現状でしょう。
どれもこれも透明ドリンクなのです。
というのも、何でもかんでも透明にすればいいという発想と、ものめずらしさから透明ドリンクを買っていますが、 フレーバーはフレーバーでしかありません。
各社が透明で、同じオレンジ味だったとしたら、消費者的にはどれも同じに見えますよね。
本物のドリンクではないということは、各社がフレーバーを競い合うことになります。
でも、フレーバーじゃ物足りない・・・となると、やっぱり差別化は難しいですよね?
このように、ブームが去れば、差別化できる製品開発にシフトしていくと考えます。
今後透明ドリンクはどうなっていくのか
今後、透明ドリンクブームとしては、伸びていかないと予測しています。
横ばいか微減という予測です。
やはり、清涼飲料水と言えども本物には適わないのです。
透明ドリンクの存在意義はオリジナル飲料があってこそのものではないかなと感じています。
「カルピス」という皆が知っている飲料があったからこそ、透明なカルピスが受け入れられるのです。
最初から透明で「ウルピス」みたいな商品があったとしても、手に取ってくれる人は僅かではないでしょうか。
このように、「フレーバーでしかない」「差別化できない」「あくまで本物のコピー」な透明ドリンクの開発は鈍化し、 オリジナルの商品に力を入れていくマーケティングになっていくのではないでしょうか。
厳しい清涼飲料水業界で他社に勝つためには、インパクトが大事なのです。
ヨーグリーナ発売当初は、よほどインパクトがあったことでしょう。
だって、白色を透明にしちゃったんですよヨーグルト味で。
でも、各社が様々な”透明化”を行っている現在において、透明であることはインパクトには繋がらないのです。
今求められているのは、色が付いてもいいから、インパクトのある飲料を開発することです。
とはいえ、とりあえずはオリジナルをブランディングし、 成功したドリンクから透明バージョンを作るという流れが業界のスタンダードになっていくのではないかと予測します。
このブームにより、各社が透明ドリンクを乱発していますが、今後の課題としては、その違和感をどう拭い去るかがポイントになります。
”本物ではない”透明ドリンクを、どう本物にしていくかを真剣に考えていかないと、透明で共倒れになるかもしれません。
ものめずらしさからの脱却を期待します。
以上、透明ドリンクに見るマーケティングでした!
今後はどんな透明ドリンクが出てくるか楽しみですね!