CX-8に続いてまたもやマツダはやってくれそうです! もしかしたら伝説のロータリーRX-7、RX-8の復活なるか!? マツダ地獄から抜け出したマツダは攻めのブランディングで快進撃を続けることができるのか。
マツダ地獄からの脱却、そしてマツダ戦略へ
先日、CX-8の発売を記念してCXシリーズの魅力をついつい熱く語ってしまった記事を書いたところですが、 またもやマツダが何やらやってくれそうです。
ちなみに、その記事はこちらです。
https://damema.net/article/63/
値下げしないブランディング。
将来的な価値を担保する残価クレジットの設定。
それらがうまく機能したことで、見事「マツダ地獄」から抜け出します。
CXシリーズによる見事なブランディングによって”マツダの2%戦略”とも言える大成功を収めました。
そして、ずーっと噂にはあったのですが、とうとう、あの伝説の車が復活するかもしれません。
マツダのマツダらしいスポーツカー。
RX-7、RX-8の流れを汲むRX-VISIONです。
なんと新型ロータリーエンジンはすでに「完成」しているとのこと。
後はどんな車が出てくるか楽しみです。
今はどういう戦略でRXシリーズを展開するか考えている段階ではないでしょうか。
発売終了後もなお愛されているRXシリーズ
後姿がカッコいいRX-7
何故いまさらロータリーなのか。
ロータリーエンジンといえば、非常に燃費の悪いエンジンです。
ただし、ピストン運動が無く、エンジンの内部がそのまま回転しているため、 エンジンのトルクが直接タイヤに伝わり、そのスポーティな乗り心地で、若者を中心に大人気の車でした。
そして、我々の世代のRX-7というと、漫画で大人気だった「イニシャルD」ではないでしょうか。
主人公は86からインプレッサに乗り換えていましたが、ライバルはRX-7乗りでしたよね!
そんな漫画を読みながら、いつかはRX-7に乗りたいなと考えていた思い出があります。
気づけばRX-8なんていうのも出ました。
このRX-7はなんと、中古市場でも状態のいいものであれば、500万以上の値がついているのです!
中古価格でこんなに高い
カーセンサーで調べてみましたが、なるほど、週履歴ありでもこのお値段なのですね・・・。
話が少しそれましたが、それほど人気がある「ロータリー車」なのです。
当時のマツダの顔といえば、RX-7かロードスターってな感じでした。
ロードスターはロータリーじゃないけどね!
その後に発売されたRX-8も、状態がいいものであれば、新車以上の値が付いているそうで、 やはり根強いファンがいるのでしょう。
そもそも、そんなに”コア”なファンがいるロータリー車を何故販売中止にしたのでしょうか。
それは、ロータリーエンジンが非常に取り扱いが難しいエンジンだったからです。
ロータリーエンジンが終了した理由
燃費が悪い
ロータリーエンジンは、先ほどもちらっとお話しましたが、異常に燃費が悪いのです。
待ち乗り実測で6~8km/Lしか走りません。
生産が中止となった2012年は、まさにプリウスを初めとするエコカーブームの真っ最中。
他社が30km/Lとか宣伝しているのに、8km/Lじゃ太刀打ちできないわけです。
しかも排ガス規制が年々厳しくなることで、必然的に継続が難しくなってきたのです。
エンジンが特殊
ロータリーエンジンそのものは、かなり特殊なエンジンです。
ピストンが無く、三角形のローターと呼ばれるものが回転することでトルクを生み出しています。
実際の排気量は1300ccなのですが、2000ccと計算されてしまいます。
つまり、エンジンが特殊なため、部品が高くつき、メンテナンス費が高いし、自動車税も高い。
さらに燃費が悪いとなれば、まさに3高なわけです。
この特殊なエンジンが故の魅力もいっぱいあるのですが、経済メリットには勝てませんでした。
メンテナンスが大変
メンテナンスが高くつくということは、つまりメンテナンスが大変ということです。
エンジンの仕組み上、オイルも一緒に燃えちゃうのがロータリーエンジンです。
なので、オイル管理がシビアで、オイルについてもかなり気にしながら乗らなければだめでした。
エコカーブームで、走りに対する拘りよりも、環境配慮の方が優先されていき、 オイルひとつにしろ、すべてが時代に逆行していたのです。
このように、ロータリーエンジンは”走り”そのものは非常に楽しめましたが、 はやり時代には勝てなかったというのが、生産終了した理由です。
しかし「ロータリーの研究は続ける」というメッセージを残し生産終了となりました。
5年の月日が流れ、新しいロータリーエンジンが、ついに「完成」したのです。
新ロータリーエンジンはどんなエンジン?
次世代ロータリーコンセプトモデル
16Xとは、2007年に研究段階で出てきたコンセプトモデルです。
そのエンジンをベースに、SKYACTIV技術を導入したエンジンが搭載されるかもしれません。
ロータリーの終焉は、”燃費の悪さ”が一番の理由です。
燃費の悪さは規制に引っかかるため、どのみち終焉する運命でした。
しかし、逆を言うと燃費さえクリアできれば、ロータリーの復活はあり得たのです。
マツダはエンジンの独自技術、SKYACTIV技術を開発しました。
その技術とロータリー技術を掛け合わせたものが、新エンジンだと思われます。
さらに、CXシリーズの大成功により、潤沢な開発費を欠けられるようになったのも大きいでしょう。
停車中に止まるロータリーエンジン・・・なんか新鮮ですよね。
どのような販売戦略を行うのか
燃費の悪さから、泣く泣く生産中止せざるを得なかったロータリーエンジン。
しかし、RX-7をはじめとする車には、今もなお根強いファンが付いています。
そして、冒頭でもお伝えしていた「何故いまロータリーなのか」に繋がります。
CXシリーズで大成功を収めた理由は「超ターゲットを絞った」ことに由来します。
みなに愛される車じゃなくていい、一部のコアなファンが満足してくれるための車が「CX」なのです。
そう、思い出してみてください。
今もなお「RX-7」を愛するコアな人たちを。
まさに、CXの販売戦略がそのまま適用できちゃうのです。
しかも中古価格が異常に高騰しているRX-7です。
まさに「RX-VISION」は値下げ販売をしなくていい車になりえるのです。
クロスオーバーSUVとして大成功した「CX-3、CX-5」そして、新発売の「CX-8」。
RX-VISIONでは「スーパースポーツカー」のコンセプトで行くのではないでしょうか。
今の車市場において「スーパースポーツカー」というジャンルはあまりありません。
HONDAのNSXぐらいだと思います。
もちろんNSXは高すぎるので、もう少し買いやすい価格帯で出してくることでしょう。
純粋に走る楽しみを知っている人に向けた車に仕上げてくることは必至です。
CXシリーズのような大成功には少し遠い
CXシリーズレベルまで販売が伸びることは正直難しいのかなと感じています。
というのも、かなり用途が限定されるからです。
CXシリーズはSUVとしての基本機能はもちろんのこと、SUVなのにSUVらしからぬシャープな印象が受けました。
またSUVは街乗りだろうがオフロードだろうが、ジャンルとして汎用性があったわけです。
今回のRX-VISIONについては、汎用性という意味では厳しい状況です。
購入層は、RX-7に憧れていた今の40代~50代の層がメインです。
この世代は家族もある程度手が離れ、自分の時間が持てるようになる世代です。
対象が若者となると、ただでさえ車離れが著しいのに、汎用性が無いスポーツカーに興味を示すかどうかというところ。
では、なぜロータリーを完成させ、RX-VISIONの情報を出すのか。
それは、やはりマツダブランドのコンセプトを体現するためだと思います。
マツダのブランドカーとしての位置づけとしてのロータリー
これは、マツダの方向性を示すためのコンセプトーカーという位置づけで考えるとしっくりきます。
散々言われているマツダの「2%戦略」。
ターゲットを超しぼり、たった2%の人が満足できる車をという戦略です。
あれだけ「コア」なファンがいるRXシリーズのファンを満足させる車を仕上げる。
これって、かなりのメッセージ性が高い挑戦だと思いませんか?
ブランドにおいて、非常に大切なことは「メッセージを発信」することです。
マツダとしての強いメッセージを発信し、共感させることが出来るかが、マツダの今後の成功を占っているのです。
CXの成功により、攻め一手のマツダが、当時でも異色を放っていたRX-7に掛けたのです。
RX-7のコアなファンを満足させる車を作ってやろうと。
仮にRX-VISIONが売れなくたって、きっとファンは応援します。
そして、よりマツダを好きになっていくはずです。
このように、マツダ地獄から抜け出せたマツダは、マツダそのもののファンになってもらうべく、 挑戦し続けることでしょう。
それが、今回のRX-VISONに込められたメッセージなのです。
ちなみに、2019年の東京モーターショーへ出展、2020年に発売みたいなスケジュールとの噂です。
https://damema.net/article/63/
ついでにCX-8の記事もよろしくお願いします。